【明日香村の万葉歌碑を歩く】いにしへの事は知らぬをわれ見ても【神聖な天の香具山を詠んだ歌】

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明日香と万葉集が好きなみくるです。

犬養万葉記念館で頂いた「明日香村の万葉歌碑を歩く」を片手に万葉歌碑巡り、40基全て見て歩こうと思っています。

明日香村の万葉歌碑を歩く

今回は「明日香村の万葉歌碑を歩く」1番の歌をご紹介します。

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いにしへの事は知らぬをわれ見ても久しくなりぬ天の香具山

歌碑は明日香村小山の「小山廃寺(紀寺跡)」にあります。

小山廃寺

右手に広がる空き地が「小山廃寺(紀寺跡)」として保存されている場所です。

左手の植え込みの中は「奈良県立橿原公苑 明日香球場(テニスコート)」の駐車場になっています。

小山廃寺の南側の道路

小山廃寺の説明板がある位置から東に100mほど行った所に、植え込みが切られた箇所があり、道路側から歌碑が見えるようになっていました。

植え込みから見える歌碑

(原文)
昔者之 事波不知乎
我見而毛 久成奴 天之香具山
巻7-1096 作者未詳
揮毫:清水公照(東大寺長老)

(読み下し)
いにしへの 事は知らぬを われ見ても
久しくなりぬ 天の香具山

小山廃寺の万葉歌碑

(現代語訳)
過ぎ去った遠い時代のことはわからないけれども、私が見はじめてからでも、もうずいぶんのあいだ、変わることもなくそびえているよ。神々しい天の香具山は。

香具山は耳成山・畝傍山とともに大和三山と呼ばれる山です。
古代から「天」という尊称が付くほど三山のうちで最も神聖視された山で、天から降って来たという伝承もあります。

歌碑のある位置から香具山が綺麗に見えました。

歌碑から見える香具山

天の香具山を詠んだ歌【万葉集】

香具山を「天の香具山」と詠んだ歌が万葉集に5首あります。

うちのひとつは持統天皇の歌です。

持統天皇の歌碑

(原文)
春過而 夏来良之 白妙能
衣乾有 天之香来山

巻2-0028 持統天皇

(読み下し)
春過て 夏来たるらし 白妙の
衣干したり 天の香具山

(現代語訳)
いつの間にか、春が過ぎて夏がやってきたようですね。
天の香具山に真っ白な衣がひるがえっているのが見えます。

万葉歌碑巡りで知った【小山廃寺(紀寺跡)】

万葉歌碑巡りのおかげで「小山廃寺」のことを知りました。
他にも、歌碑が無ければ行っていなかっと思う場所があります。
テーマを決めて歩くと新たな発見があって楽しいです。

小山廃寺についてはこちらの記事でご紹介しています。

明日香村の万葉歌碑を歩く

「犬養万葉記念館」で頂いた『明日香村の万葉歌碑を歩く』に掲載されている万葉歌碑40基をまとめてご紹介しています。

最後までお読み頂きありがとうございます。