桜井市(さくらいし)は、奈良盆地の中央東南部に位置します。東と南を青垣山に例えられる山々に囲まれ、古くは「やまとはくにのまほろば」とうたわれた「ヤマト」の地域です。
弥生時代後期から古墳時代前期にかけての3~4世紀には、纒向の地に大集落が築かれ、箸墓古墳などの多くの古墳が今日まで残ります。
➡卑弥呼のお墓?!【箸墓古墳】美しい墳丘を眺めながら古代に想いを馳せる【奈良県桜井市】
日本で最も古い神社の一つともいわれる三輪の大神神社、初瀬の長谷寺、多武峰の談山神社などの由緒ある社寺も数多く見られます。
古代ヤマト王権の中心地であり、そこかしこに万葉人の足跡が見える桜井市の魅力を「桜井市役所 観光まちづくり課」さんが発行されている観光パンフレット「さくらい六街道巡り歩く」を足掛かりにお伝えします。
さくらい六街道を巡り歩く~ひみこの里・記紀万葉のふるさと
桜井(さくらい)六街道とは
- 山の辺の道
- 伊勢街道(初瀬街道)
- 多武峰街道
- 忍坂街道
- 磐余の道
- 大和長寿道
の六つの街道のことをいいます。
六街道を巡り歩くと、国のまほろば桜井を肌で感じることができます。
山の辺の道
山の辺の道(やまのべのみち)は奈良盆地の山裾を縫うように、南北に結ぶ古道です。
歌垣で知られる海石榴市から、三輪、柳本を経て石上神宮までを、一般的には山の辺の道と称していますが、本来は更に奈良へと北上する道で、日本最古の道といわれています。
【山の辺の道コース】所要時間:約4時間30分
JR・近鉄桜井駅からスタートして、JR柳本駅まで歩くルートです。
- 仏教伝来之地碑
- 海柘榴市観音堂
- 金屋の石仏
- 平等寺
- 大神神社
- 玄賓庵
- 桧原神社
- 相撲神社
- 穴師坐兵主神社
- 景行天皇陵(ここから天理市)
- 崇神天皇陵
- 黒塚古墳
古来、大和の国の発祥地と考えられ、日本のルーツを求める人々がこの地の山裾の道を歩き、そこから「山の辺の道」は発展したといわれています。
【纏向遺跡散策コース】(所要時間:約2時間)
JR・近鉄桜井駅からスタートして、JR巻向駅まで歩くコースです。
➡箸墓古墳に先行する古墳(墳丘墓)【纏向勝山古墳】奈良県桜井市の纏向古墳群を巡る(その1)
纏向遺跡エリアには数々の古墳が点在します。
伊勢街道エリア・上之郷エリア
伊勢街道(初瀬街道)
初瀬街道(はせかいどう)は桜井市の初瀬と三重県松阪市の六軒を結ぶ街道です。国道165号が初瀬街道と呼ばれることもあります。
古代、初瀬(泊瀬・長谷)の渓谷は、「隠国の初瀬」ともよばれ、渓谷にそって東西の道が発達した要衝の地で、雄略天皇の泊瀬朝倉宮(『日本書紀』雄略紀)、武烈天皇の泊瀬列城宮(『日本書紀』武烈紀)が伝承されており、真言宗豊山派総本山で西国観音霊場第八番の長谷寺がある事でも知らてれいます。
初瀬は後年、長谷寺の門前町として賑わい、伊勢街道の宿場町としても栄えました。
【伊勢街道コース】所要時間:約4時間30分
JR・近鉄桜井駅からスタートして、近鉄長谷寺駅まで歩くコースです。
- 阿弥陀堂
- 玉列神社
- 白山神社
- 十二柱神社
- 法起院
- 長谷寺
平安中期には紫式部や清少納言が書いた長谷の観音参りが有名となって栄えました。
江戸末期のおかげ参り(お伊勢まいり)で人々の往来が盛んとなった街道です。
上之郷エリア
懐かしの里山の風景が残る地域です。
- 笠山荒神社
- 荒神の里 笠そば
- 瀧蔵神社
- 小夫天神社
多武峰街道エリア・忍坂街道エリア
多武峰街道
多武峰街道(とうのみねかいどう)は大化の改新の主役・中大兄皇子と藤原鎌足が蘇我氏討伐を話し合ったといわれる談山神社を登る道で、戦国時代は秀吉の吉野統制の道としても有名です。
【多武峰街道コース】所要時間:約5時間
JR・近鉄桜井駅からスタートして、談山神社まで歩くコースです。
- 等彌神社
- 談山神社一の鳥居
- 聖林寺
- 崇神天皇陵
- 不動の滝
- 屋形橋
- 談山神社
忍坂街道
忍坂街道(おっさかかいどう)は忍阪と宇陀を結ぶ『古事記』『日本書紀』で知られる古道です。忍阪の集落の南入口には「忍坂道伝承地」の碑が立ち、記紀の伝承を語っています。
【忍坂街道コース】所要時間:約5時間
JR・近鉄桜井駅から栗原バス停まで歩くルートです。
- 桜井茶臼山古墳
- 舒明天皇陵
- 額田女墓
- 大伴皇女墓
- 石井寺
- 史跡 栗原寺跡
忍坂集落内には、舒明天皇陵、万葉歌人の鏡王女墓、衣通姫の誕生地と言われる玉津島明神、そして山がご神体の生根神社や、額田王の念持佛とも言われる、日本最古の石彫三尊像「伝・薬師三尊石仏」を安置する石位寺と、記紀万葉ファンにとってはとっておきの故地です。
磐余の道エリア・大和長寿道エリア
磐余の道
磐余の道(いわれみち)は考古学上は「安倍 山田道」と呼ばれる古代の幹線道路です。上ツ道と横大路の交差点から安倍丘陵に沿って南西に斜交し、時の都であった飛鳥を経て紀州へ至ります。
【磐余の道コース】所要時間:約5時間
JR・近鉄桜井駅からスタートして、石舞台古墳まで歩くルートです。
➡奈良県立万葉文化館【万葉 恋ものがたり】万葉の時代の恋模様に想いを馳せる(奈良県明日香村)
大和長寿道
大和長寿道(やまとちょうじゅみち)は藤原宮の大極殿を真ん中にして、東西に位置する桜井市の安倍文殊院と橿原市のおふさ観音を結ぶ道です。長寿延命をこのニヶ寺に願掛けするため、この大和長寿道を歩いて参拝されました。近年は「ぼけ封じ」のお寺として全国からたくさんの参拝客を集めています。
【大和長寿道コース】所要時間:約2時間30分
JR畝傍駅からスタートして、近鉄大和八木駅まで歩くルートです。
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➡橿原市の史跡を巡る【藤原宮跡周辺を歩く】畝傍御陵前駅~本薬師寺跡~藤原宮跡
奈良県桜井市へのアクセス
桜井市の玄関口は隣接している「近鉄桜井駅」と「JR桜井駅」です。京都、大阪はもちろん、名古屋や東京からのアクセスも良好です。
- 京都から 大和八木駅乗り換え 急行で約1時間10分
- 大阪上本町から 快速急行で約40分
- 天王寺から 区間快速高田行き、高田駅乗り換え 約50分
- 名古屋から 大和八木駅乗り換え 特急で約2時間
詳しくは「桜井観光協会」さんのサイトをご覧ください。
最後までお読み頂きありがとうございます。