三輪山に咲くご神花【大神神社ささゆり園】見頃は5月下旬から6月上旬(奈良県桜井市)

※当サイトではアフィリエイト広告を利用しています。

生まれも育ちも奈良県で、今は橿原市に住んでいるみくるです。

国のまほろば大和盆地の東南に位置する三輪山みわやまを御神体とする大神神社おおみわじんじゃを、幼い頃より「みわさん」と呼び習わし、折に触れてお詣りして来ました。

大神神社の大鳥居と三輪山
大神神社の大鳥居と三輪山

大神神社は、本殿は設けず拝殿の奥にある三つ鳥居を通してお山を拝するという、原初の神祀りの様が伝えられている、わが国最古の神社です。

今回は、そんな大神神社でご神花として大切にされている「ささゆり」と「大神神社ささゆり園」をご紹介します。

大神神社のささゆり

ささゆり(笹百合)は、日本固有のユリで、その可憐な姿と希少性から「ユリの女王」とも呼ばれる美しい花です。細長い葉が笹の葉によく似ていることから「ささゆり」と名付けられました。英名でも「Bamboo lily(バンブーリリー)」と呼ばれます。

『古事記』や『万葉集』にも登場することから、古くから日本で愛されていたことが伺えます。「佐韋(さい)」や「三枝(さいぐさ)」とも呼ばれます。

スポンサーリンク

大神神社とささゆり

大神神社ささゆり園の概要

大神神社(おおみわじんじゃ)ささゆり園は、奈良県桜井市三輪に位置する日本最古の神社の一つである大神神社の境内にある、ささゆり(笹百合)を鑑賞できる庭園です。

大神神社ささゆり園の入口

ささゆりは、日本固有の貴重なユリです。中部地方以西の山地に自生します。『古事記』にも三輪山の山麓に自生していたとの記述があり、大神神社にとってご神縁の深い花として大切にされています。

大神神社とささゆり園の案内看板

ささゆり園は、古代、三輪山にささゆりが群生していたことを今に伝える為に、美しい花が咲く5月下旬頃から開園されます。

二の鳥居前にささゆり園の案内看板が建てられていました(2025年6月8日参拝)。

大神神社の二の鳥居

拝殿にて参拝後、左手の祈祷殿前より入園できます(入園無料)。「花が咲きはじめました」とありました。

大神神社の二の鳥居前に設置されたささゆり園の案内看板

ささゆりの開花時期は、例年5月下旬から6月です。気候により変動しますので、最新の開花状況は、大神神社の公式インスタグラム公式Xなどからご確認下さい。

2025年は5月24日から開園されました。開園日当初は、「つぼみ」の状態でした。
開園時間は9:00~16:00入場料は無料です。6月中旬頃まで開園されます。

スポンサーリンク

大神神社ささゆり園の場所

ささゆり園へは、拝殿前の階段の手前からも入園できますが、まずは拝殿で参拝致します。

大神神社の拝殿前の階段に設置されたささゆり園の案内看板

大神神社の境内マップです。

大神神社の境内図
境内マップ | 大神神社(おおみわじんじゃ)

拝殿前の階段です。

大神神社の拝殿前の階段

拝殿前から左手に進むと祈祷殿があります。

大神神社の祈祷殿

ささゆり園の入口は、祈祷殿の前にあります。

大神神社ささゆり園の入口

園内は周遊路の為、二の鳥居前には出られません。

スポンサーリンク

大神神社ささゆり園の様子

大神神社ささゆり園では、約1,320平方メートルの敷地に、日本全国から集められた約3,000株のささゆりが植栽されています。

大神神社ささゆり園の様子

ささゆり園内には回遊式の周遊路が整備されていて、可憐な花を楽しみながら散策できます。

大神神社ささゆり園の様子

この日は咲き始めということで、まだまばらでした。

大神神社ささゆり園の様子

ささゆり(笹百合)は、日本固有のユリで、その可憐な姿と希少性から「ユリの女王」とも呼ばれる美しい花です。

大神神社ささゆり園の様子

細長い葉が笹の葉によく似ていることから「ささゆり」と名付けられました。英名でも「Bamboo lily(バンブーリリー)」と呼ばれます。

大神神社ささゆり園の様子

高さ50cm~1mほどの茎に、淡紅色や白色の漏斗状の花を咲かせ、香りの良い芳香を放ちます。

大神神社ささゆり園の様子
スポンサーリンク

ささゆりと狭井川

狭井川(さいがわ)は、奈良県桜井市三輪を流れる川で、奈良盆地の南東部に位置する三輪山の麓を流れています。

山の辺の道と狭井川

狭井川は、『古事記』にも登場する歴史ある川です。

神武天皇の皇后である伊須気余理比売命(いすけよりひめのみこと)の家がこの川のほとりにあったとされ、神武天皇が彼女を訪れた際に、川辺にヤマユリが多く咲いていたことから「佐韋河(狭井川)」と名付けられたと伝えられています。※「さゐ」はヤマユリの古名です。

山の辺の道と狭井川

現在でも、この地域にはササユリなどが自生しており、古事記の記述を裏付けているかのようです。

『古事記』に出てくる狭井川を詠んだ歌です。

狭井河よ 雲立ち渡り 畝傍山
木の葉騒ぎぬ 風吹かむとす

『古事記』中巻 伊須気余理比売命

(現代語訳)
狭井川の方からずっと雨雲が立ち渡り、畝傍山では木の葉がざわめいています。
今にも大風が吹こうとしていますよ。

こちらの記事では、神武天皇とその皇后・伊須気余理比売命いすけよりひめのみことの出会いの物語をご紹介しています。

スポンサーリンク

三島由紀夫記念碑「清明」とささゆり

狭井神社さいじんじゃ参道に建つ記念碑「清明」の文字は、三島由紀夫が色紙に書いたものを写したものです。

狭井神社参道に建つ三島由紀夫の記念碑「清明」

記念碑のかたわらにも、ささゆりが咲いていました。

狭井神社参道に建つ三島由紀夫の記念碑「清明」とささゆり

三島由紀夫の『豊穣の海』第二巻「春馬」には、三輪山信仰と大神神社の神事と、作品の主題との深い係わりについて書かれています。

狭井神社参道に建つ三島由紀夫の記念碑「清明」の説明板

三島氏は、古道研究のため、昭和41年6月に率川神社の「三枝祭」に参列し、8月には三輪山頂上に登拝し、色紙に「清明」と認め、後日、次の感懐を寄せられました。

大神神社の神域は、ただ清明の一言に尽き、神のおん懐に抱かれて過ごした日夜は終生忘れえぬ思ひ出であります。

記念碑は、三島由紀夫と大神様の御神縁を鑑み、平成16年に奉納されました。

2025年は、三島由紀夫の生誕100年にあたることから、大神神社の公式Xには、ささゆり園の開花状況と共に「清明」の記念碑と生誕100年を関連付けての発信がありました。

「清明」の記念碑は、狭井神社の鳥居を潜った先にある池の前に建っています。

狭井神社の参道

記念碑の手前にも一輪咲いていました。

狭井神社の参道に咲くささゆり

奈良県桜井市の狭井神社(さいじんじゃ)は、大神神社の摂社で、大神神社の境内東側、狭井川のほとりに鎮座しています。三輪の神様の荒魂をお祀りし、力強いご神威から病気平癒の神様として信仰が篤い神社さまです。

スポンサーリンク

大美和の杜のささゆり

ささゆりは、大美和の杜の付近にも咲いています。

ささゆり園の案内図
ささゆり園のご案内 | 大神神社(おおみわじんじゃ)

大美和の杜(おおみわのもり)は、奈良県桜井市三輪に位置する大神神社の境内に設けられた公園で、1985年(昭和60年)に開園しました。

大美和の杜

大美和の杜展望台は、大神神社の自然と歴史的背景を活かし、奈良盆地の美しい景観を一望できるビューポイントとして人気です。

大美和の杜展望台からの景観

大美和の杜の一角に柵が設けれていて、ささゆりの開花球が植付けられています。

大美和の杜のささゆり園

かつては、三輪山周辺にもたくさんの花を咲かせたという「ささゆり」は、その姿を見かけなくなってしまいました。その原因は本来、人里近くに自生し、人の手が入ることで生育可能な環境が維持され、守り育てられる植物であるため、薪から化石燃料主体の生活に代わり、里山の自然が崩壊したためといわれています。

開花までに5年から7年もの長い年月を要し、栽培が非常に難しい花であるため希少化し、人為的な乱獲もささゆりの減少に拍車をかけた為といわれています。

大美和の杜のささゆり園

そこで、ささゆりの復活を目指して、平成5年に篤農家の集まりである「大神神社豊年講」の方々を主体にした「笹百合奉仕団」が結成され、地道な活動を続けておられます。

大美和の杜のささゆり園の説明板

おかげさまで、こちらでも、可憐に咲くささゆりが見られました。

大美和の杜のささゆり園に咲くささゆり
スポンサーリンク

大神神社へのアクセス

奈良県桜井市三輪

ささゆり園の受付に境内案内図が置かれていました。

大神神社境内案内図

ささゆり園は12番です。

大神神社境内案内図(部分拡大)

大神神社の駐車場(無料)がご利用できます。

大神神社へのアクセスと駐車場については、こちらの記事もご参照ください。

最後までお読み頂きありがとうございます。

スポンサーリンク
PAGE TOP
タイトルとURLをコピーしました