ガラスペンでのなぞり書きを愉しんでいるみくるです。
『ガラスペンでなぞる文学の小道』はイラストが綺麗な本なので、ページの雰囲気に合わせて色んな色のインクを使いたくなります。
今回はコレクションに新しく仲間入りした『ガラスペンで楽しむインクセット グリーン&ブラウン』をご紹介します。
【ガラスペンで楽しむインクセット グリーン&ブラウン】
お手軽価格のガラスペンは『COCOUNITYガラスペンセット』のガラスペンを持っているので、インクだけのセットを探していました。
色々と見比べて購入を決めたのが『ガラスペンで楽しむインクセット グリーン&ブラウン』です。
まだ持っていないブラウンが入っていることが購入の決め手となりました。
小瓶に入った6色のインクが綺麗な化粧箱にセットされています。
インクの量が記載されていないので、持っている他の小瓶と比べてみました。
「エルバン」さんのは10ml、「万年筆のある毎日」のは7mlです。
瓶の大きさは「万年筆のある毎日」のより若干小さめですが、インクは同じくらい入っているように思います。
セット内容
- 翡翠 宝石の翡翠(ジェード)のような鮮やかで美しい新緑色
- 松葉 古来からある色名で松の葉のおうに渋い緑色
- 若緑 新芽を思わせる、みずみずしくて明るい黄緑色
- 千歳茶 古木のごとく、かすかに緑色が入った落ち着いた茶色
- 青竹 青々と成長した竹のような明るく青みを帯びた緑色
- 皂 茶色がかった黒。草木染に由来した呼び方で黒土の色を指します
何色かを一緒に使っても素敵なページになりそうです。
【ガラスペンでなぞる文学の小道】
『ガラスペンでなぞる文学の小道』で全部の色を試してみました。
中原中也『夏の日の歌』
「夏の日の歌」は、詩集『山羊の歌』に収められています。
夏の日の歌
青い空は動かない、
雲片ぎれ一つあるでない。
夏の真昼の静かには
タールの光も清くなる。
夏の空には何かがある、
いぢらしく思はせる何かがある、
焦げて図太い向日葵ひまはりが
田舎の駅には咲いてゐる。
上手に子供を育てゆく、
母親に似て汽車の汽笛は鳴る。
山の近くを走る時。
山の近くを走りながら、
母親に似て汽車の汽笛は鳴る。
夏の真昼の暑い時。
「青竹」と「若葉」、
「松葉」と「翡翠」の4色のグリーンのインクでなぞりました。
中原中也『湖上』
「湖上」は詩集『在りし日の歌』に収められています。
「中也節」とも呼ばれる、七五調のリズムの詩です。
湖上
ポッカリ月が出ましたら、
舟を浮べて出掛けませう。
波はヒタヒタ打つでせう、
風も少しはあるでせう。
沖に出たらば暗いでせう、
櫂から滴垂る水の音は
昵懇しいものに聞こえませう、
――あなたの言葉の杜切れ間を。
月は聴き耳立てるでせう、
すこしは降りても来るでせう、
われら接唇する時に
月は頭上にあるでせう。
あなたはなほも、語るでせう、
よしないことや拗言や、
洩らさず私は聴くでせう、
――けれど漕ぐ手はやめないで。
ポッカリ月が出ましたら、
舟を浮べて出掛けませう、
波はヒタヒタ打つでせう、
風も少しはあるでせう。
「皂」と
「千歳茶」の2色のブラウンのインクでなぞりました。
インクが増えてますますなぞり書きが楽しくなりました。
欲しいと思っていたブラウン系のインクが綺麗な色なので嬉しいです。
どちらも素敵なページになりました。
使用したなぞり書きの本
ガラスペンでなぞる文学の小道 つちや書店(2023/1/10)
本の内容はこちらの記事でご紹介しています。
使用した万年筆インク
ガラスペンで楽しむインクセット グリーン&ブラウン 東京書店
東京書店さんの「今日からはじめるガラスペン」のシリーズは、私が買った「グリーン&ブラウン」の他に「ブルー&パープル」や、ガラスペンとインクがセットになった「今日からはじめるガラスペン インク&ペンセット」も発売されています。
最後までお読み頂きありがとうございます。