なぞり書きが楽しくてインク沼にハマりかけているみくるです。
エルバンさんのインクが嬉しくて、可愛らしいイラストがいっぱいのなぞり書きの本を買いました。
『ガラスペンでなぞる文学の小道』です。
シンジカトウさんのイラストが愛らしい【文学の小道】
『ガラスペンでなぞる文学の小道』はつちや書店さんから出版されている『ツキアカリ商店街』・『宮沢賢治幻燈館』に続く「ガラスペンでなぞる」シリーズの第3弾。
雑貨デザイナー・絵本作家のシンジカトウさんのイラストがとっても可愛らしい素敵な本です。
- 第一章 文学を歩く
初恋/みだれ髪/私と小鳥と鈴と/蜘蛛の糸/舞姫 など - 第二章 童話の宝石〈イソップ寓話〉
いなかのネズミとまちのネズミ/狐と葡萄/北風と太陽 など - 第三章 星ピエロ〈中原中也〉
サーカス/ピチベの哲学/一つのメルヘン/北の海 など
子供の頃によく読んだお話や、教科書に載っていたお話など、馴染のあるものが多くあって懐かしい気持ちになります。
『ツキアカリ商店街』と同じく、書き味の違う7種類の用紙に40種類の書体で書かれています。
エルバンインクでなぞる【文学の小道】
柿くへば 鐘がなるなり 法隆寺 正岡子規
エルバンさんの「ビルマの琥珀」に似合いそうなページを選んでなぞりました。
正岡子規の俳句「柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺」です。
イラストも綺麗だし紙の匂いがまたいいなあ
紙はirofulです。
書き心地と手触りもじっくりと楽しみたいです。
「柿食えば鐘が鳴るなり法隆寺」は生涯に20万を超える句を詠んだ正岡子規の作品のうち最も有名な句で、松尾芭蕉の「古池や蛙飛びこむ水の音」と並んで俳句の代名詞として知られています。
また来ん春…… 中原中也
エルバンさんの「アンティークブーケ」に似合いそうなページを選んでなぞりました。
高校の現国先生が好きだった中原中也の詩が10編も載っていて嬉しいです。
ほのぼのとして可愛いイラストの、でも哀しい詩のページに、くすんだピンク色がよく似合います。
紙はHSライトフォースです。
「また来ん春……」は、詩集『在りし日の歌』に収められています。
中也の長男の文也くんが、2歳になったばかりの時に急死…
その悲しみの中で生まれた詩です。
なぞった部分のあとにこう続きます。
最後に見せた鹿だけは 角によつぽど惹かれてか 何とも云はず 眺めてた ほんにおまへもあの時は 此の世の光のたゞ中に 立つて眺めていたっけが……
シンジカトウさんの『文学と僕』より
巻末にシンジカトウさんの『文学と僕』というタイトルの文章が載っています。
その中で、中原中也の詩について書かれています。
彼の作品のあちこちには繊細さと狂気がちらほら見え隠れしていますが、絶好なオノマトペで全体がメルヘンチックな雰囲気になっていますよね。
文学の小道 「文学と僕」シンジカトウ
まるで、あふれる感情を彼自身が持て余して道化を演じているようです
これを読んで先生が中原中也が好きな理由が少し分かったような気がしました。
笑いの絶えない楽しい授業はどこか狂気じみていて、まるで道化を演じられているようでした。
先生が持て余していた感情は何だったんだろう…
中原中也の詩をもっと読みたくなりました。
使用したなぞり書きの本
ガラスペンでなぞる文学の小道 つちや書店(2023/1/10)
使用した万年筆インク
エルバントラディショナルインク ビルマの琥珀 ミニボトル
エルバントラディショナルインク アンティークブーケ ミニボトル
エルバンさんのインクについてはこちらで詳しく書いていますので、合わせてご覧ください。
ガラスペンで愉しむなぞり書き
なぞり書きに使っている万年筆インクとなぞり書きの本のまとめページを作っています。
最後までお読み頂きありがとうございます。