大和高田市で生まれ育ったみくるです。
大和高田市の名所といえば「高田千本桜」が有名ですが、その他にもおすすめしたい場所がありご紹介しています。
こちらの記事では「高田千本桜」周辺のおすすめスポットをまとめてご紹介しました。
➡名所「高田千本桜」周辺のおすすめ観光スポット6選【奈良県大和高田市】
今回は私のお気に入りスポット「馬冷池公園」のすぐ近くに建つ不動院(大日堂)についてご紹介します。こちらでも桜が楽しめます。また、紫陽花が美しいお寺としても知られます。
桜の季節の不動院(大日堂)
不動院は大和高田市本郷町に鎮座する真言宗御室派の寺院で、大日堂と通称されています。
創建は寺伝によると飛鳥時代で、聖徳太子によって開基された「金輪山證菩提寺」という寺院が前身と伝わります。
当初は七堂伽藍を備えた大寺院で、奈良時代には光明皇后により再建されましたが、その後は荒廃してしまいました。
室町中期に高田城主・當麻為長により現在の大日堂が再建されました。江戸期は当地の住人によって細々と存続していたようです。
高田城主當麻為長は応仁の乱以来、大和武士の有力者でした。高田城は片塩小学校の東側、常光寺池一帯にあったとされます。旭北町の公園内に城跡を示す石碑が残りますので、また別の機会にご紹介します。
前身の「金輪山證菩提寺」は1873年(明治6年)に廃寺になりましたが、大正5年ごろに再建されると、大正11年に吉野郡野迫川村で廃寺となった「不動院」の寺号を移して現在の名となりました。
こちらのお堂では、大聖歓喜天(聖天様)がお祀りされているようです。
現在の境内は小規模なもので、往時の七堂伽藍の面影はありませんが、大日堂は室町期のものが現存しており、貴重な中世の密教本堂の遺構として価値があることから、国の重要文化財に指定されています。
不動院本堂(重要文化財)
不動院の説明板
本堂は桁行五間、梁間四間、寄棟造、本瓦葺です。一部に後世の改変が認められるものの、当初の形式をよく残しており、棟木銘等によって建立年代が明らかなことから、大正14(1925)年4月24日付で特別保護建造物(現在の重要文化財)に指定されました。
不動院本尊に大日如来を祀ることから、地元では「大日さん」と呼ばれ親しまれています。
木造大日如来坐像(大和高田市指定文化財)
不動院の説明板
本像は木造の大日如来坐像で、腕前で智拳印を結ぶ金剛界の姿にあらわします。左足を前にして結跏趺坐しており、密教像としてはめずらしく原図曼荼羅にとらわれない形式をしています。
構造は桧の一木割矧造りで、表面には漆箔が施されています。制作時期は鎌倉時代と考えられます。令和3年6月24日付で大和高田市指定文化財に指定されました。
弘法大師像
六地蔵
6体並んでいる六地蔵の「六」というのは「六道輪廻」の「六」の事を示していて、6つの世界で迷い苦しんでいるものを救ってくださるのが、六地蔵と伝えられています。
桁行五間、梁間四間、寄棟造、本瓦葺の本堂の様子は隣の馬冷池公園から見ることができ、こちらにも説明板が設置されています。
室町時代中期の創建当初の状態がよく保存されており貴重な本堂は、大和高田市唯一の国指定重要文化財です。
傍の馬冷池については「戦陣往来に際して馬を洗い冷やしたことに由来すると伝えられる」と説明されていました。
馬冷池がある馬冷池公園については、こちらの記事でご紹介しています。
➡馬冷池公園の桜~名所「高田千本桜」と合わせて【奈良県大和高田市】
紫陽花の季節の不動院(大日堂)
「高田千本桜」と合わせておすすめしたい不動院は、お堂と桜との取り合わせが美しいのですが、紫陽花の名所としても知られています。
紫陽花の季節にもぜひ参拝されて下さい。
こちらの記事ではあじさい寺として知られる奈良県大和郡山市の矢田寺の「あじさい大庭園」をご紹介しています。
不動院(大日堂)へのアクセス
奈良県大和高田市本郷町8-15
駐車場はありません。
JR高田駅より徒歩5分です。
お車でお越しの場合は、JR高田駅西側の駐車場をご利用されると便利です。
こちらの記事では「高田千本桜」をご紹介しています。
最後までお読み頂きありがとうございます。