明日香と万葉集が好きなみくるです。
犬養万葉記念館で頂いた「明日香村の万葉歌碑を歩く」を片手に万葉歌碑巡り、40基全て見て歩こうと思っています。
今回は4番の歌をご紹介します。
明日香川明日も渡らむ石橋の【作者未詳】
歌碑は3番の大伴家持の歌碑の傍らにある階段を下りた河原の土手にあります。
見過ごしてしまいそうでした。
(原文)
明日香川 明日文将渡 石走
遠心者 不思鴨
(読み下し)
明日香川 明日も渡らむし
石橋の
遠き心は 思ほえぬかも
巻11-2701 作者未詳
(現代語訳)
明日香川を明日もまた渡ろう。
その石橋の飛び石が間を隔てるように、間遠な心を抱くことなどありはしないことだ。
「石橋」とは、「飛び石」のことです。
万葉の時代、飛鳥川はたびたび氾濫したようで、木の橋をかけてもすぐに流されました。
そのため大きい石を置いて橋の代わりにしたのでした。
歌碑の近くに飛び石が置かれていて、対岸へ渡れるようになっていました。
渡った先には甘樫丘のバス停と、豊浦休憩所があります。
飛鳥川の飛石と犬養孝先生揮毫の歌碑
『万葉集』には、石橋を詠んだ歌がほかにもあり、飛鳥川に5、6か所の飛び石があったようですが、今もはっきりと石橋が残っているのは二か所(上流側・下流側)だけです。
稲渕の集落近くの細い道を飛鳥川へ降りるとその飛び石があり、川を渡ることができます。
その位置は『万葉集』の時代のままといわれ、そばに同じ歌を刻んだ歌碑が建っています。
こちらの歌碑は犬養孝先生の揮毫です。
歌碑は下流側の飛び石の傍にある橋のたもとに建っています。
この歌がここで詠まれたかは分かりませんが、飛び石から続く小道を見ると、その先に住む女性に会いに行く様子が想像できました。
歌碑「明日香川明日をも渡らむ」へのアクセス
奈良県高市郡明日香村雷
雷橋より飛鳥川沿いの遊歩道を上流側へ150mほど行ったあたりにある「明日香の万葉歌碑を歩く」3番の大伴家持の歌碑の傍らの階段を降りた土手にあります。
豊浦休憩所から飛び石を渡って行くこともできます。
遊歩道沿いに「明日香の万葉歌碑を歩く」の3番と5番の歌碑があります。
5番は元明天皇の「飛ぶ鳥の 明日香の里を 置きて去なば 君があたりは 見えずかもあらむ」の歌碑です。
明日香村の万葉歌碑を歩く
「犬養万葉記念館」で頂いた『明日香村の万葉歌碑を歩く』に掲載されている万葉歌碑40基をまとめてご紹介しています。
最後までお読み頂きありがとうございます。