明日香と万葉集が好きなみくるです。
犬養万葉記念館で頂いた「明日香村の万葉歌碑を歩く」を片手に万葉歌碑巡り、40基全て見て歩こうと思っています。
今回は「明日香村の万葉歌碑を歩く」31番の歌をご紹介します。
立ちて思ひ居てもそ念ふくれなゐの赤裳裾引き去にし姿を
歌碑は高松塚古墳前の小丘にあります。
案内板に「星宿広場上展望台」とある丘です。
歌碑がある展望台の様子
明日香村内にある犬養孝先生揮毫の歌碑14基のうちのひとつです。
(原文)
立念 居毛曽念 紅之
赤裳下引 去之儀乎
巻11-2550 作者未詳
揮毫 犬養孝/国文学者
(読み下し)
立ちて思ひ 居てもそ念ふ くれなゐの
赤裳裾引き 去にし姿を
(現代語訳)
立っては思い座っても思う、紅の赤裳の裾を引いて去っていったあの人の姿を。
「裳」は現代でいう巻スカートのようなものです。
「赤裳」は赤や紅色の裳のことで、万葉時代に人気があったそうです。
「飛鳥美人」の名前でよく知られている高松塚古墳の壁画「女子群像」に描かれている女性も、赤裳を着ています。
「飛鳥美人」に代表される極彩色の壁画は、国宝に指定されています。 この壁画によって、当時の女官の衣装などがわかり、万葉女流歌人であった額田王のイメージすることができます。 1972年に発掘調査が始まり、その年の3月には鮮やかな彩色の残った壁画が発見されました。考古学史上最大の発見として、当時のトップニュースに。
高松塚古墳壁画 | 日本国創成のとき〜飛鳥を翔た女性たち〜 | 飛鳥女史紀行
壁画に描かれている女性たちも裳を引いて歩いています。
去っていくのは別れを告げた女性でしょうか、目を引く赤い裳が脳裏から離れないのですね。
歌碑がある丘からは高松塚古墳と星宿広場が見渡せます。
高松塚古墳が見える場所に、赤裳を詠んだ歌碑があるのは、高松塚古墳の壁画を連想してのことかも。
歌碑がその場所にある理由を考えてみるのも楽しいです。
高松塚古墳へのアクセス
高松塚古墳へのアクセスについては、こちらの記事をご参照ください。
➡特別史跡【高松塚古墳】極彩色の壁画【飛鳥美人】は国宝【奈良県明日香村】
高松塚古墳と周辺の様子をご紹介しています。
明日香村の万葉歌碑を歩く
「犬養万葉記念館」で頂いた『明日香村の万葉歌碑を歩く』に掲載されている万葉歌碑40基をまとめてご紹介しています。
犬養先生が揮毫された万葉歌碑は日本全国に141基あり、その内の15基が明日香村にあります。
犬養先生の足跡を辿るような気持ちで、万葉歌碑を見て歩いています。
最後までお読み頂きありがとうございます。