宇陀市菟田野古市場【宇太水分神社】鎌倉時代に建てられた本殿3棟【国宝】

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生まれも育ちも奈良県のみくるです。

古くからある神社やお寺には樹齢の長い木が多くあり、その生命力が満ちた境内からパワーを頂けるような感じがします。
奈良県宇陀市には立派な杉の木が立ち並ぶ神社が多くある好きな場所です。

今回はそんな宇陀市にある宇太水分神社(うだのみくまりじんじゃ)をご紹介します。
(2023年10月29日参拝)

宇太水分神社の本社三棟
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水分三座を祀る【宇太水分神社】

宇太水分神社の門前町「古市場」

宇太水分神社(うだのみくまりじんじゃ)は宇陀市菟田野古市場(うだしうたのふるいちば)にある水分三座をお祀りする神社です。

古市場は宇太水分神社の門前町として、古くは単に市場と称していましが、慶長4年(1599)年に松山城の城下町に商業施設が移されたことに伴い、古市場と改称されたようです。
門前町として栄えた町並みは、芳野川(ほうのがわ)右岸の旧国道沿いに今も残っています。

米谷家住宅
宇陀市菟田野区古市場の町並み (oo7.jp)

米谷家住宅
水分橋南詰交差点のすぐ北側にある民家です。
蔵のあるかなり大きな建物です。

県道31号線沿いに古くからの建物が多く残っています。

御由緒

第十代崇神天皇7年2月(古事記の注釈によると紀元前90年ごろ)、崇神天皇の勅命により祀られたと伝わります。
大和朝廷が飛鳥に置かれたころ、大和の国の東西南北に水分神社が祀られました。

  • 東 宇太水分神社(奈良県宇陀市菟田野古市場)
  • 西 葛木水分神社(奈良県御所市関屋)
  • 南 吉野水分神社(吉野郡吉野町子守地区)
  • 北 都祁水分神社(奈良市都祁友田町)

宇陀地域には他に2つの水分神社があり、下社、上社、中社と称します。

  • 下社 宇陀市榛原下井足 宇太水分神社
  • 上社 宇陀市菟田野上芳野 惣社水分神社
  • 中社 宇陀市菟田野古市場 宇太水分神社

水分神とは

神名の通り水の分配を司る神です。
「くまり」は「配り(くばり)」の意で、水源地や水路の分水点などに祀られます。

古事記の神産みの段で速秋津比古神(はやあきつひこ)・速秋津比売神(はやあきつひめ)両神の子として天水分神(あめのみくまりのかみ)・国水分神(くにのみくまりのかみ)が登場します。

宇太水分神社の本社三棟と摂社
宇太水分神社の本社三棟と摂社

御祭神

本社

  • 第一殿 天水分神(あめのみくまりのかみ)
  • 第二殿 速秋津彦命(はやあきつひこのみこと)
  • 第三殿 国水分神 (くにのみくまりのかみ) 

摂社

  • 春日神社 天児屋根命 (あめのこやねのみこと)
  • 宗像神社 市杵島比売命(いちきしまひめのみこと)

末社

  • 恵比寿神社 蛭子之大神(ひるこのおおかみ)
  • 金毘羅神社 大物主命(おおものぬしのみこと)
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一の鳥居

芳野川に架かる宮前橋を渡った先にある大きな鳥居が一の鳥居です。

宇太水分神社の一の鳥居

古くは現在の位置より少し南西に一の鳥居がありましたが、永和15年(1517年)の大水で流されました。
この鳥居は、昭和59年(1984年)に再建されたものものです。

宇太水分神社一の鳥居(奉献)

二の鳥居

木造の両部鳥居です。
両部鳥居は、自然神が祀られた神社に多く見受けられるものです。

宇太水分神社の二の鳥居

社号標に「式内大社宇太水分神社」とあります。
式内大社は延喜式に記載のある神社、いわゆる式内社のうち、大社に列格している神社をいいます。

延喜式神名帳』に延長5年(927年)大和四水分が大社に列せられ、祈年祭、新嘗祭、月次祭の案上官幣に預かると記載があります。

宇太水分神社の二の鳥居と社号標

二の鳥居の前の道が、門前町の古くからの建物が残る県道31号線です。

宇太水分神社前の県道31号線

ユーモラス蛙の手水舎と蟇股

蛙を模ったユーモラスな手水がありした。
蛙は水の神様の御使いと考えられています。

宇太水分神社の蛙の手水舎

宇太水分神社と蛙

蛙は湿地帯にいる両棲動物で水田耕作に深いつながりがあり、水の神さまの神使ともいえます。(中略)虫をとるので人に益することも多く、前肢の指は四本、後肢の指は五本で当神社の国宝御殿組のうちにある蟇股かえるまたは蛙の座した姿を模したものであります。

蛙の手水舎の説明板より

蟇股(かえるまた)は横木(梁・桁)に設置し、荷重を分散して支えるために、下側が広くなっている部材です。
そのシルエットが蛙の股の様に見えることから「蟇股」と呼ばれるようになりました。

宇太水分神社と蛙の説明板

蟇股のことを後から知ったので、写真を撮って来ませんでした。
分かりにくいですが、本殿を取った写真に蟇股が写っていました。

宇太水分神社の蟇股

こちらのサイトに蟇股の写真がたくさん載っています。
青龍や虎などの絵が描かれていて綺麗なので、ご参拝の折にはぜひよくご覧になられて下さい。

源頼朝公ゆかりの【頼朝杉(二代目)】と祓戸神社

頼朝杉

源頼朝が幼少時に詣でて、大将軍になれるかどうかを占うために、杉を植えさせたと伝えられています。
この杉はその二代目です。

宇太水分神社の頼朝杉

頼朝杉(二代目)

源頼朝公が幼少時に当社に詣で、この杉苗が大きく育つことがあれば征夷大将軍になることが叶うであろうと、占うために植えさせたものであると伝えます。

水分の神の誓いを植えおきつつ 後に栄の老杉を見む と詠ず

頼朝杉(二代目)の説明板より
宇太水分神社の頼朝杉と鳥居

祓戸神社

鳥居を潜って右手に祓戸神社があります。

大祓詞にある瀬織津比命(せおりつひめ)・速秋津比命(はやあきつひめ)・気吹戸主(いぶきどぬし)・速佐良比命(はやさすらひめ)の四柱の神様をお祀りしています。

本殿に参拝する前に、こちらにお詣りして祓い清めます。
稲荷大神を合祀しています。

数本の杉の大木や常緑樹の榊、山茶花に囲まれた清々しい場所です。

拝殿

当初、この位置には神楽殿が建造されていましたが、昭和47年(1972年)の台風の際、欅の倒木の下敷きになって倒壊しました。
その後、昭和48年(1973年)の造営でこの拝殿が新たに建造されました。

宇太水分神社の拝殿

左奥にあるのは夫婦杉です。
根元が一つになった杉であるため、夫婦杉と呼ばれて夫婦和合の守り神として親しまれています。

宇太水分神社本殿 三棟【国宝】鎌倉時代(1318年)創建

向かって右から第一殿、第二殿、第三殿です。

第一殿 天水分神(あめのみくまりのかみ)
第二殿 速秋津彦命(はやあきつひこのみこと)
第三殿 国水分神(くにのみくまりのかみ)

が祀られています。

宇太水分神社の本殿

三棟はいずれも、一間社隅木入春日造の檜皮葺です。

本殿三棟のうち、第一殿と第三殿は、鎌倉時代の元応二年(1320年)に建造されたものであることが第一殿の棟木銘によって明らかです。
第二殿は永禄元年(1558年)に修理工事が行われたことが棟木銘に記されています。

三棟は等間隔で横一線上に並んでおり、「みくまり造り」と称され連結社殿の原初形式を示すものです。

建造当時の部材が良好な状態で残されていること、意匠が独創性に富んだものであること、さらに建造年代の明らかな隅木入春日造としては最古のものであることが評価され、昭和29年(1954年)に国宝に指定されました。

2003年の塗り替え時にわずかに残された色彩が発見され、それを元に復元されました。

御神水

推古天皇19年(610年)推古天皇が菟田野に薬狩りをされた際、薬の井で身を清められたとされたと伝わります(写真右手)。

宇太水分神社の御神水

春日神社社殿・宗像神社社殿【重要文化財】室町時代

向かって左側が春日神社社殿、右側が宗像神社社殿です。

宇太水分神社の春日神社と宗像神社の社殿

春日神社社殿【重要文化財】室町時代中期

春日神社は、この地域がかつて興福寺と春日大社の荘園であった関係で、室町時代に春日社より勘請されて祀られたものです。
社殿は、本殿と同じく一間社隅木入春日造の檜皮葺であり、本殿より一回り小さいですが、建築様式は本殿と非常に似通っています。
社殿には、春日大社の御社紋である藤の美しい彩色が施されています。
室町時代中期の建造であることが明らかであり、昭和29年(1954年)に重要文化財の指定を受けました。

宗像神社社殿【重要文化財】

宗像神社がどのような経緯でこの地に祀られたのかは詳らかではありません。
社殿は、室町時代末期の建造であり、一間社流造の檜皮葺です。
規模的には小さいのですが、意匠を凝らした蟇股の彫刻は実に見事で、流造の屋根の曲線は非常に優雅です。
昭和29(1954年)に重要文化財の指定を受けました。

金毘羅神社と欅の大木

金刀毘羅神社は古市場地区の氏神様です。
4月10日と9月10日の例祭には近隣の氏子の方々が集まり、和気藹々とした雰囲気の中で「ごくまき」が行われます。

宇太水分神社の金毘羅神社

樹齢数百年の欅の大木です。
とても見事な欅でした。

宇太水分神社の欅の大木

美しい意匠の本殿や頼朝杉、欅の大木などを拝見でき、気持ちの良い参拝でした。

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宇太水分神社のアクセス

奈良県宇陀市菟田野古市場245

公共交通機関をご利用の場合

近鉄大阪線 榛原駅下車
奈良交通バス(10番、11番) 古市場水分神社前下車 徒歩5分

お車をご利用の場合

名阪国道 針I.Cから国道365号を経て約30分。

境内に駐車場があり、奥の方にも駐車できます。

宇太水分神社の駐車場

おすすめの本

まんが古事記 愛と涙と勇気の神様ものがたり 講談社(2015/6/29)
ふわこういちろう著 戸矢学 監修 

古事記の神様の物語をまんがで楽しめる本です。
神社に祀られている神様のことを知りたくて読んでいます。

水分神社で祀られている速秋津比古神は河の男神で、女神の速秋津比売神との間に天水分神(男神)と国水分神(女神)が生まれます。

伊邪那岐命伊邪那美命が生んだ【水に関わる神】は、【河の男神】速秋津比古神・【河の女神】速秋津比売神・【海の男神】大綿津見神(おほわたつみのかみ)の三柱です。

速秋津比古神と速秋津比売神との間に八柱の【水に関わる神】が生まれます。

伊邪那岐命・伊邪那美命が生んだ神々
水分神 – Wikipedia

(画像クリックで拡大できます)

複雑で覚えられませんが、神様の物語を知るのは楽しいです。

近くのおすすめスポット

宇陀市菟田野古市場「奈良カエデの郷ひらら

旧宇太小学校を活用した施設で、1200種3000本のカエデが織りなす色彩豊かな景色が楽しめます。
懐かしい雰囲気の木造校舎とカエデとの対比も美しく、写真好きの方にも人気のスポットです。

宇太水分神社よりお車で約2分です。

墨坂神社も崇神天皇ゆかりの古社です。
宇陀水分神社よりお車で約14分です。

最後までお読みいただきありがとうございます。

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