藤原道長も参詣!世界遺産【金峯山寺】光る君へ聖地巡礼(奈良県吉野町吉野山)

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生まれも育ちも奈良県のみくるです。

今回は、NHK大河ドラマ「光る君へ」で、藤原道長が参詣する様子が描かれた金峯山寺きんぷせんじをご紹介します。

アイキャッチ金峯山寺

金峯山寺は「きんぷせんじ」と読みます。奈良県吉野郡吉野町吉野山にある金峯山修験本宗(修験道)の総本山の寺院です。山号は国軸山。

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金峯山寺

御由緒と御本尊

金峯山寺は飛鳥時代に修験道の開祖、役行者が蔵王権現の姿を桜に刻み、祀ったことが始まりとされています。

平安時代、現在の吉野山から山上ヶ岳にかけての一帯は「金峯山」と呼ばれ、ここを詣でる御嶽詣みたけもうでが盛んに行われました。

吉野山

ご本尊は蔵王堂に安置される3体の蔵王権現立です。巨像として著名で中尊は約7mもあり、普段は非公開(秘仏)であることから「日本最大の秘仏」とも称されます。国内最大級の厨子に納められています。

蔵王権現立像3体の造仏は、秀吉の発願した方広寺大仏(京の大仏)の造仏にも携わった、南都仏師の宗貞・宗印兄弟が手掛けたことが、胎内の銘から知られます。

令和6年秋の秘仏ご本尊特別御開帳は、10月12日(土) ~ 12月1日(日) に行われます。

境内のご案内

蔵王堂(国宝・世界遺産)

金峯山寺の本堂である蔵王堂は、国宝であり、世界遺産の中核資産に登録されています。白鳳年間に役行者が創建されたと伝えられています。

単層裳階付き入母屋造り檜皮葺きで、高さ34m、裳階の四方36mの豪壮な建造物です。木造古建築としては、東大寺大仏殿に次ぐ大きさを誇ります。

金峯山寺蔵王堂

創建以来、幾たびも焼失と再建を繰り返し、現存の蔵王堂は、天正18年(1590年)に豊臣秀吉の寄進によって再建されたものです。

内部には、国内最大級の厨子があり、秘仏のご本尊金剛蔵王大権現3体がお祀りされているほか、多くの尊像が安置されています。

蔵王堂から見る境内

仁王門(国宝・世界遺産)

金峯山寺蔵王堂の北側の正門にあたる仁王門は、国宝であり、世界遺産の中核資産に登録されています。

城郭を思わせる巨大な石垣の上に建つ重層入母屋造り本瓦葺きで、高さは20.3mあります。創建年代は不詳ですが、現在の建物の下層は南北朝期、上層は康正年間の建造と推定されており、金峯山寺に残る諸堂の中で最も古い建造物です。

保存修理中の仁王門

下層の正面両脇に、阿形・吽形の2体の仁王像(重要文化財)を安置しています。両像は、御身丈5.3m程で、奈良東大寺南大門の仁王像に次ぐ巨像です。阿形は延元3(1338)年、吽形は延元4年の造立で、南都仏師の康成の手によるものです。

保存修理中の仁王門

現在、この門の解体大修理事業が進められており、事業終了までの間、仁王像は奈良国立博物館に寄託されています。完工予定は、令和10年(2028年)です。

二天門跡

二天門はかつて蔵王堂の南に南面して建っていた門で、大峯から出峰してきた行者を迎える門でした。
元弘3年(1333)1月16日、鎌倉幕府が攻め寄せたとき、村上義光むらかみよしてる大塔宮護良親王だいとうのみやもりながしんのうの身代わりとなって、二天門で切腹したという伝説があります。

金峯山寺 二天門跡

江戸時代の絵図の中には二天門を描くものがありますが、実際には南北朝時代の焼失後、ついに再建されることはありませんでした。
現在二天門跡には、「二天門跡村上義光公忠死之所」と刻まれた石柱がたたずんでいます。

四本桜

四本桜は蔵王堂の境内、石の柵の中に桜が四本植えられている場所で、「大塔宮だいとうのみや御陣地」と刻まれた石柱が建っています。

元弘3年(1333年)大塔宮護良親王だいとうのみやもりながしんのうが鎌倉幕府勢に攻められて、吉野落城を覚悟して最期の酒宴をされた所です。その際の陣幕の柱跡に植え続けられているのが、この桜です。

金峯山寺 四本桜

柵の中にある青銅の鐘楼は、文明3年(1471年)の作で、室町時代の秀作として重要文化財に指定されています。

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威徳天満宮(県指定文化財)

威徳天満宮は、天満神社ともいい、菅原道真を祭神としています。社殿によると、平安時代の天徳3年9月5日に鎮座したとされています。

威徳天満宮の鳥居

社殿は、桃山時代の様式をよく伝えており、豊臣秀頼の改修によるものと言われています。

威徳天満宮の社殿

役行者銅像

修験道の開祖、役行者の大銅像です。戦後、女性行者のための行場として蔵王堂の西方の谷間にある一の滝(龍神池)を開いた際、昭和26年(1950)に行場の入り口に建立されました。

役行者銅像

役行者には、夫婦の鬼が付き従っています。手に斧を持った鬼は前鬼ぜんき、水がめを持った鬼は後鬼ごきといいます。この鬼は、生駒山の暗峠くらがりとうげで人の子をさらう悪い夫婦の鬼でしたが、役行者がこの夫婦の子供を隠しておびき出し、調伏したと言われています。

吉野朝宮跡

かつての南朝(吉野朝廷)の皇居跡で、元は実城寺というお寺でした。実城寺は、足利幕府と北朝に対抗する南朝方の拠点として、後醍醐天皇の御座所となっていました。

吉野朝宮跡

延元元年(1336年)12月21日、京都の花山院をひそかにのがれてた天皇は28日、吉水院宗信らに迎えられ吉水院に身を寄せられましたが、延元4年(1339年)8月、病に侵されて、御年52歳で悲運の生涯を閉じられました。

徳川時代になると幕府は、金輪王寺の寺号を没収して日光に移し、元の実城寺となって明治を迎えましたが、廃仏の嵐にあって廃寺となってしまいました。

銅鳥居(重要文化財)

銅鳥居は「かねのとりい」と読みます。聖地への入口、俗界と聖地の境界を象徴する建造物です。

金峯山寺 銅鳥居

吉野から大峯山(山上ヶ岳)までの修行道には発心門、修行門、等覚門、妙覚門という、悟りへの4つの段階を象徴した門が設定されています。そのうちの「発心門」にあたるのがこの鳥居です。

銅鳥居の説明板

東大寺大仏を鋳造した際の余りの銅で造ったという伝承がありますが、現存するものは室町時代の再興です。

黒門

ロープウェイ吉野山駅から徒歩数分のところに建つ黒塗りの高麗門です。

金峯山寺の黒門

金峯山寺の総門で、吉野一山の総門でもあります。金峯山というのは吉野山から大峰山に至る峰続きを指し、修験道関係の寺院塔頭が軒を連ねていました。それらの総門がこの黒門でした。

金峯山寺の黒門(中から)

現存する黒門は、昭和60年(1985年)秋、金峯山寺本堂蔵王堂の大屋根大修理に合わせて改築されたものです。

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藤原道長の御嶽詣(金峯山詣)

奈良の吉野山から山上ヶ岳までを金峯山と総称しましたが、御嶽詣(金峯山詣)とは、弥勒信仰を基調とする「金峯山浄土」の信仰に基づき、御嶽精進の後、金峯山寺の山上蔵王堂に参詣することです。

現在の大峰山寺おおみねさんじが山上蔵王堂(山上本堂)にあたります。

吉野山

文学物では御嶽詣とすることが多いのですが、歴史史料ではほぼ金峯山詣とされています。

NHK大河ドラマ「光る君へ」第35回「中宮の涙」で、藤原道長が息子の頼道と共に、中宮・彰子の懐妊祈願のために行った御嶽詣みたけもうで金峯山詣きんぶせんもうで)については、こちらの記事でご紹介しています。

御朱印帳と御朱印

金峯山寺で御朱印帳と御朱印を頂きました。蔵王堂(本堂)の御朱印です。中央に「蔵王堂」と墨書きされ、梵字印と寺印が重ねられています。

御朱印帳を開くと蔵王権現さまがいらっしゃいました。

金峯山寺の御朱印帳と御朱印

その他「愛染明王」「十一面観音」「神仏霊場」等の御朱印をいただけます。

世界遺産 紀伊山地の霊場と参詣道

紀伊山地の霊場と参詣道は、和歌山県・奈良県・三重県にまたがる3つの霊場(吉野・大峰、熊野三山、高野山)と参詣道(熊野参詣道、大峯奥駈道、高野参詣道)を登録対象とする世界遺産(文化遺産)です。2004年7月7日に登録されました。

奈良県内構成要素は次のとおりです。

  • 吉野山
  • 吉野水分神社
  • 金峯神社
  • 金峯山寺
  • 吉水神社
  • 大峰山寺
  • 大峰奥駆道(玉置神社を含む)
  • 熊野参詣道 小辺路

五條市立5万人の森公園の展望台からは、「五條市から見る大峰山脈の大パノラマ」が楽しめます。

5万人の森公園「展望台」

大峰奥駆道は、役行者が8世紀初めに開いたとされる修験者の修行の道です。吉野山から熊野まで山上ヶ岳、弥山、八経ヶ岳など2000メートル近い山々の尾根が連なる修験道の根本道場と言われ、紀伊山地の中で最も奥深い山道です。この道では古来より奥駆と言われる修行が行われています。

修験道の修行者は「修験者」あるいは「山伏」と呼ばれ、役行者をその開祖と仰いでいます。

「光る君へ」第35回「中宮の涙」でも、厳しい道中の様子が描かれていました。

大河ドラマ「光る君へ」場面写真
大河ドラマ「光る君へ」公式 X

「吉野の金峯山に参ろうと思う。恐らくは、我が生涯最初で最後の御嶽詣である。」という道長の台詞が印象に残っています。

険しい道中、命がけの金峯山詣。気安く行けるものではありませんでした。

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金峯山寺の拝観時間・拝観料

拝観時間 午前8時30分 ~ 午後4時

蔵王堂拝観料(通常時)
大人800円、中学生600円、小学生400円

秘仏御本尊特別ご開帳時
大人1600円、中学生1200円、小学生800円

※団体割引あり(30名以上)
※障害者の同伴者の割引は、介護が必要と判断した場合のみ、同伴者1名に限り半額

詳しくは金峯山寺の公式サイトをご覧ください(拝観時間・拝観料金 | 金峯山修験本宗 総本山 金峯山寺 )。

金峯山寺へのアクセス

奈良県吉野郡吉野町吉野山2498

近鉄 吉野駅下車 ロープウェイ吉野山(山上駅)より 徒歩10分

ロープウェイ山上駅

金峯山寺の専用駐車場はありません。吉野山の観光駐車場をご利用ください(無料)。

今回は、下千駐車場を利用しました。ここから金峯山寺まで徒歩15分ほどです。

桜の季節は大変混雑し、交通規制が実施されるのでご注意下さい。

吉野山周辺交通規制

吉野山観光駐車場について、詳しくは吉野山観光協会さんの公式サイトをご確認ください。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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