国生み神話の島【沼島】は人気のパワースポット!見所をまとめてご紹介(淡路島観光)

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『古事記』や『日本書紀』の伝承地を訪れるのが好きなみくるです。

今回は淡路島の南に浮かぶ島「沼島ぬしま」についてご紹介します。

沼島おのころぬしマップ

沼島は「記紀神話」の国生みの舞台「おのころ島」の最有力候補地とされています。

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国生み神話の島「沼島」

勾玉の形をした島

沼島は兵庫県南あわじ市に属し、兵庫県最南端に位置します。面積2.71km2、周囲9.53 km、 最高地点は117.2m。瀬戸内海を中心とする国立公園「瀬戸内海国立公園」の一部です。人口389人(2023年5月末現在)。

空から見ると勾玉の形をしています。

沼島の案内図(航空写真)

北西側の真ん中に漁業中心の集落と沼島漁港があり、対岸の南あわじ市灘土生の土生はぶとは、沼島汽船の定期船「しまかぜ」「しまちどり」で結ばれています。

沼島汽船

沼島は南あわじ市灘の沖4.6 キロに位置する離島です。

沼島汽船から見た沼島

灘土生の土生港より沼島行きの汽船が1日10便出ています。

灘土生の沼島汽船のりば

沼島への行き方についてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。

沼島漁港

10分ほどで沼島に到着します。

沼島漁港(沼島ターミナルセンター)

崖下に磯が発達していることから磯釣りの名所となっています。漁港周辺に集落が広がっています。

国生み神話と沼島

『古事記』『日本書紀』の「神代巻」、いわゆる「記紀神話」によると、天つ神がイザナギとイザナミの二神に神聖な沼矛ぬぼこを授け、国造りを命じました。

この二神は、まず天の浮橋に立ち、授かった矛で混沌とした世界をかき回しました。潮をゴロゴロと鳴らし、引き上げた矛の先から、落ち た雫が固まって島となりました。これが「おのころ島」です。

この島にイザナギ・イザナミの二神が降り立って、夫婦の契りを結び、御柱と宮殿を建て、国土造成をされました。その舞台であるおのころ島が、沼島となされています。

⇩淡路サービスエリアの展望台に、沼矛で世界をかき回すイザナギとイザナミの姿が描かれた碑が建っていました。

日本発祥の地「おのころ島」の碑

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『古事記』に「天(あめ)と地(つち)の始まりの時、イザナギとイザナミは矛で下界をかき回した。引き上げた矛先から潮が滴り落ち、オノコロ島(オノゴロ島)となった。二神は島に降り、天の御柱の周囲を回って夫婦となった。試行錯誤を経て淡路島を生み、順に四国、隠岐島、九州、壱岐島、対馬、佐渡島、本州、他の島々を生んだ。」とあります。

二神がオノコロ島で最初に生んだ島が淡路島です。
古事記の仁徳天皇の歌からも、古代の人々がオノコロ島は淡路島付近にあると考えていたことが分かります。

仁徳天皇が淡路島から眺望して詠んだ歌
押し照るや 難波の崎よ 出で立ちて 我が国見れば 淡島 淤能碁呂島 檳榔の 島も見ゆ 離つ島見ゆ
(仁徳記・53)

(現代語訳)
難波なにわの崎から出で立って、我が領有する国を眺めると、淡島あわしま淤能碁呂島おのごろしま、また檳榔あじまきの島も見える。佐気都島さけつしまも見える。

国生みの舞台としては、沼島のほかに淡路島内で5ヵ所、全国では10ヵ所を超える候補地がありますが、なかでも沼島が最有力候補地とされています。

淡路島日本遺産文化財

洲本市・南あわじ市・淡路市が申請したストーリー「『古事記』の冒頭を飾る「国生みの島・淡路」〜古代国家を支えた海人の営み〜」は平成28年度(2016年)の『日本遺産』に認定されました。

淡路島日本遺産文化財」は31の構成文化財からなります。

淡路島日本遺産文化財ガイド「沼島」

国生み神話に登場する「おのころ島」伝承地の一つ。淡路島の太平洋側に浮かぶ小島で、上空から見ると勾玉の形をしています。古墳や製塩遺跡が残るほか、立神石をはじめ巨大な奇石が島を取り囲んでいるのも特徴。沼島の「沼」は国生み神話の「天の沼矛」に由来するという背うもあります。

淡路島日本遺産文化財ガイド「沼島」の説明板

絵島も構成文化財のひとつです。

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沼島探索ウォーキング

島内の周遊道路(1周)は全長約1km。ウォーキングで約4時間かかります。バスやタクシーはありません。

帰りの汽船の時間をご確認の上、余裕を持って巡られることをお勧めします。(沼島汽船 – 運航状況・予定 | 兵庫県南あわじ市〜沼島〜

沼島観光ガイドマップ

沼島観光ガイドマップ」は沼島ターミナルセンターで頂けます。

島内1周ウォーキング(約4時間)

沼島の周遊道路は約7.9kmです。標高差80mほどの急坂が上り・下り合わせて4ヵ所あります。途中休憩をはさんで約4時間で一周できます。山道にはトイレや水飲み場が無いので注意してください。健脚向けのコースです。

沼島八十八か所霊場巡り

明治時代、戦争や伝染病で多くの人が亡くなり、その慰霊のために島内の八十八ヵ所にお地蔵様が祀られました。お地蔵様には、四国八十八か所と同じ札所名がつけられ、ほぼ島内1周コース上に点在しています。

第一番は神宮寺境内にあります。草むらに隠れたお地蔵さんも。気をつけて歩いてみると、あちらこちらで路傍にひっそり佇む姿が見られます。

上立神岩コース(約1時間)

島の中央を横断する道路を上りきり、急坂を下ると短時間で、高さ30mを誇る上立神岩かみたてがみいわの勇敢で美しい姿を見ることができます。打ち寄せる波の豪快さは必見。

打ち寄せる波が豪快な「上立神岩」

おすすめ2時間コース

天地創造の神であるイザナギ、イザナミの二神を祀っているおのころ神社のほか、上立神岩を巡る2時間コースです。

沼島おのころクルーズ

島の周囲キロを漁船で巡る奇石クルーズ。

神話になぞらえイザナギノミコトの周った向きを男まわり、イザナミノミコトのそれを女まわりと呼びます。
平バエ祭りなどの神事の際は男まわりです。岩の見栄えや順番などを考慮して、おのころクルーズでは女まわりで周ります。約40分から50分です。

沼島おのころクルーズ(男まわりと女まわり)
沼島の遊ぶ・歩く | 兵庫県南あわじ市〜沼島〜

沼島の漁師さんが自らの漁船で沼島をぐるっと一周してくれます。海からでないと見ることができない奇岩の表情が楽します(大人1名さまから運航します)。

お問い合わせ・お申し込み
050-3187-5040

受付時間をご確認ください。
事前予約制です。当日のお問い合わせは、対応できる場合もあります。

詳しくは沼島観光案内所の公式サイトをご覧ください。

1億年前の地球のしわ

1億年前に出来た地球の「しわ」とされる鞘型褶曲さやがたしゅうきょくは、平成6年(1994年)に、沼島北端の黒崎で発見された珍しい岩石です。

引き潮の時にしか見ることができないこの奇岩は、同心円状の鞘型の褶曲構造となっており、地殻内部の動きが分かる貴重な資料となっています。この沼島の岩石以外ではフランスで1ケ所発見されているだけです。

鞘型褶曲の解説板

沼島ターミナルセンター内に展示されていました。

1億年前に出来た地球の「しわ」とされる鞘型褶曲

1億年前の奇石に触れることができて感無量でした。

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主な観光スポット

島のほぼ全島が瀬戸内海国立公園の特別地域に指定されています。

上立神岩

高さ約30mの矛先のような形をした岩が沼島のシンボルの上立神岩かみたてがみいわです。

国生み神話ゆかりの場所であり、イザナギノミコトとイザナミノミコトがおのころ島に降り立ち、巨大な柱の周囲をまわって婚姻をおこなったという、「天の御柱」だともいわれています。

上立神岩

上立神岩の中央部がハート型にくぼんでいることから、夫婦円満・恋愛成就のシンボルとしてブログなどでうわさされているようです。カップルも多数訪れています。

おのころ神社(自凝神社)

小高い山の上にあるおのころ神社には、天地創造の神であるイザナギ、イザナミの二神を祀っています。この山全体が「おのころさん」と呼ばれる神体山です。入り口を間違える方が多いので、ご注意を。

神宮寺

真言宗の寺院で元慶4年(880年)の開基といわれています。梶原氏の菩提寺であったもので、厨子、紺紙金泥経、曼荼羅など数々の宝物は梶原氏の寄進と伝えられています。また、境内には司馬遼太郎さんの作品を刻んだ石碑もあります。

神宮寺

淡路島人気のパワースポット!【沼島】神宮寺と厳島神社で沼島を知る(淡路島観光)

沼島八幡神社

沼島八幡神社は、沼島汽船が着く沼島港からほど近い海の見える場所に鎮座します。御影石の石段と神域の森が印象的な神社です。室町時代中期、永享8年(1436年)に梶原景俊によって創建されたと伝えられています。

沼島八幡神社

神域の森に囲まれたパワースポット!【沼島八幡神社】樹齢800年を誇る大木も(淡路島観光)

弁財天神社

弁天さんの名で親しまれています。海上安全、戦の武神、守護神として信仰されています。沼島の弁天さんは、琵琶を持っていません。左右8本の腕があり、その御手には弓、刀、斧、羂索(けんさく)、箭、三鈷戟、独鈷杵、輪を執り、一足をあげて波濤の台座に座しています。弁天さんのご開帳は100年に一度です。

弁財天神社

淡路島人気のパワースポット!【沼島】神宮寺と厳島神社で沼島を知る(淡路島観光)

山ノ大神社(通称「山の神さん」)

朱色の小さな鳥居が参道に沿って続き、「海上安全」「四季豊漁」などを漁業者が祈願しています。毎年、成人の日頃にお餅を投げる行事が行われ、娯楽の少なかった昔には、その近くの山の運動場にみんなが集まり、山の運動会を催していました。

梶原五輪塔

松香石という特殊な石でつくられています。古くから梶原景時の墓と伝えられており、この塔の造立年代も鎌倉初期のものとみられています。沼島八幡宮を創建したと伝えられている梶原景俊は、梶原景時の孫にあたります。

八角井戸

沼島庭園の入り口にある井戸です。沼島は井戸のことを「川」と呼び、この井戸も別名「王川」と呼ばれています。現在も枯れることなくきれいな地下水が湧いています。
沼島庭園は現在入園できません。

淡路島のおのころ島伝承地

「日本発祥の地」とも言えるおのころ島の場所については、さまざまな説があり、候補地もいろいろとあります。古くから様々な説がありますが、中でも、最初の国土とされる淡路島周辺というのが最も有力な説になっています。

淡路島内で5ヵ所、全国では10ヵ所を超える候補地があります。なかでも沼島が最有力候補地とされています。

今回の淡路観光の一番の目的はその伝承地を訪れることでした。

絵島

淡路島の北端に浮かぶ島です。

絵島

淡路島の景勝地【絵島】は記紀に登場する「オノコロ島」伝承地のパワースポット!

沼島

当記事でご紹介している淡路島の南に浮かぶ島です。

おのころ神社(自凝神社)

沼島内にある神社

おのころ島神社(自凝島神社)

兵庫県南あわじ市榎列下幡多にある大きな鳥居が目印の神社

おのころ島神社の鳥居
自凝島神社 – Wikipedia

大和島

淡路島の北東、絵島の南に位置し、砂岩と礫岩からなる陸続きの小島です。

大和島

【万葉歌碑巡り】 淡路島のパワースポット「大和島」名付け親は柿本人麻呂~明石海峡の景観と共に

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沼島へのアクセス

沼島

兵庫県南あわじ市沼島

土生港から沼島までは、沼島汽船で約10分です。

沼島汽船 土生港のりば

兵庫県南あわじ市灘土生1-10

灘ターミナルセンター駐車場(1日500円)をご利用下さい。

灘ターミナルセンター

沼島汽船の時刻表及び運行状況については淡路観光案内所の公式サイトをご覧ください。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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