大神神社参拝の深淵へ【磐座神社】から辿る三輪山の磐座信仰(奈良県桜井市)

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生まれも育ちも奈良県で、今は橿原市に住んでいるみくるです。

国のまほろば大和盆地の東南に位置する大神神社(おおみわじんじゃ)を、幼い頃より「みわさん」と呼び習わし、折に触れてお詣りして来ました。

大神神社の大鳥居と三輪山
大神神社の大鳥居と三輪山

奈良県桜井市に鎮座する大神神社は、日本最古の神社の一つとして知られています。その最大の特徴は、社殿を持たず、背後にそびえる三輪山(みわやま)そのものをご神体としている点です。この三輪山信仰の根幹にあるのが、岩をご神体とする磐座(いわくら)信仰です。

今回は、大神神社の摂社である磐座神社(いわくらじんじゃ)と、三輪山に点在する「辺津(へつ)・中津(なかつ)・奥津(おきつ)磐座」についてご紹介します。

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太古の信仰が息づく「大神神社の磐座と三輪山」

自然のままの岩を神とする「磐座神社」

大神神社の参道を抜け、狭井神社へと向かう「くすり道」の途中に、ひっそりと佇むのが磐座神社(いわくらじんじゃ)です。

大神神社のくすり道
くすり道

この神社には社殿がなく、祀られているのは木々に囲まれた一つの巨石です。

大神神社摂社「磐座神社」の鳥居

これが、神が宿る「磐座」です。

大神神社摂社「磐座神社」

ご祭神は少彦名命(すくなびこなのみこと)です。

大神神社のご祭神の大物主大神(おおものぬしのおおかみ)と共に国土を開拓し、人間生活の基礎を築かれると共に、医薬治病の方法を定められた薬の神様として信仰されています。

大神神社摂社「磐座神社」御由緒書き

自然そのままの姿を保つこの磐座神社では、古代の神祀りの原形が今なお生きています。静けさの中で岩に向かって手を合わせていると、神の存在を肌で感じるような不思議な感覚に包まれます。

大神神社摂社「磐座神社」の磐座

古代の人々は、特定の岩に神が宿ると考え、そこを神聖な場所として崇めてきました。磐座神社は、その太古の信仰の形を今に伝える貴重な場所です。

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三輪山に点在する三つの磐座 「辺津・中津・奥津磐座」

山麓の神域「辺津磐座」

三輪山には、古代から信仰の対象とされてきた磐座が三段階に分かれて存在します。それぞれ異なる神が宿るとされ、「三輪山三段磐座」と呼ばれています。

磐座神社を含む三輪山の麓一帯には、少彦名命を祀る磐座がいくつも点在しており、これらが総称して「辺津磐座(へついわくら)」と呼ばれます。
中でも、山ノ神遺跡は代表的な遺構で、中央の巨石の周囲に小石が環状に巡らされた古代の祭祀跡が確認されています。

現地には今も静かな祠や案内板が残されており、当時の祈りの気配を感じながら散策することができます。

三輪山麓案内図
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山腹の祭祀場「中津磐座」

三輪山を登拝するルートの中腹、標高300~400メートル付近に位置するのが「中津磐座(なかついわくら)」です。こちらは大己貴命(おおなむちのみこと)を祀るとされ、環状に石を並べた「磐境(いわさか)」が今も山中に残っています。

山腹の木立の中、苔むした石が静かに鎮座している光景は、神話の世界そのもの。目に見えぬ神々への畏敬の念が、自然と湧き上がってきます。

狭井神社の境内にある三輪山登拝口

三輪山登拝(みわやまとうはい)は、狭井神社を通じて行われる三輪山への特別な参拝です。

三輪山は、大神神社のご神体そのものとれ、古代から信仰の対象とされてきました。そのため、一般的な登山とは異なり、「神域への登拝とうはい」という特別な形式が取られています。

狭井神社の境内にあるのが、唯一の三輪山登拝口です。

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山頂に鎮まる神の座「奥津磐座」

そして三輪山登拝の終着点、山頂付近には「奥津磐座(おきついわくら)」があります。ここは大物主大神(おおものぬしのおおかみ)の鎮まる場所とされ、巨大な岩塊が林立する神秘的な空間です。

大神神社では本殿を持たず、三輪山そのものをご神体として拝む形を取っていますが、その核心がこの奥津磐座にあります。
神の坐す場所として、今なお最も神聖な地とされ、訪れるには社務所で狭井神社の登拝受付を済ませる必要があります。

三輪山登拝では、写真撮影が禁止されているので、実際に登拝しないと中津磐座と奥津磐座は拝めません。

おわりに

現代に生きる私たちにとって、「磐座」は非日常的な存在に思えるかもしれません。しかし、神がそこに在るという感覚は、決して遠いものではなく、自然に寄り添って暮らしていた日本人の原点を思い出させてくれます。

大神神社の参拝と合わせて、ぜひ磐座神社や三輪山の三段磐座を巡り、古代から受け継がれてきた祈りの形に触れてみてください。

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大神神社へのアクセス

奈良県桜井市三輪1422

電車をご利用の場合

大神神社への最寄り駅は、JR桜井線(万葉まほろば線)の三輪駅です。

JR・近鉄桜井駅からバス: JR桜井線・近鉄大阪線の桜井駅からもアクセスできます。桜井駅北口2番乗り場からシャトルバスが出ており、約20分で大神神社に到着します。

JR三輪駅から徒歩: 三輪駅から大神神社までは、徒歩約5分と非常に近いです。駅を出て、案内に従って進むとすぐに二の鳥居に到着します。

車をご利用の場合

大神神社には、参拝者用の無料駐車場が完備されています。

  • 無料駐車場: JRの踏切より西側に参拝者無料駐車場があります。普通車約590台分のスペースがあり、通常は無料で利用できます(正月特別期間など、一部有料となる場合があります)。
  • 所在地: 〒633-8538 奈良県桜井市三輪1422

※大神神社参道整備工事に伴い、一部期間で駐車場の利用制限や、二の鳥居付近での一時停止・乗降車ができない場合があります。最新の情報は、大神神社の公式サイトをご確認いただくか、直接お問い合わせいただくことをお勧めします。

この記事では、大神神社 摂社の狭井神社さいじんじゃをご紹介しています。

大神神社の境内に鎮座する、三輪の神様の荒魂あらみたまをお祀りする神社さまです。力強いご神威から、病気平癒の神様として篤く信仰されています。

4月18日の鎮花祭はなしずめのまつりは上古からの由緒をもち、「薬まつり」の名前でも知られます。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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