惜しまれつつ廃盤となったベステック社のカリスマカラー色鉛筆。その独特の滑らかな描き心地と鮮やかな発色に魅了されていた方も多いのではないでしょうか。
カリスマカラーを失った今、次に手にする色鉛筆として「プリズマカラー」を検討されている方もいらっしゃるでしょう。

しかし、一部で言われるプリズマカラーの「品質低下」は気になるところ。
今回は、プリズマカラーの歴史を紐解きながら、なぜ今プリズマカラーをおすすめできるのか、そして高品質を求める方への別の選択肢まで、詳しくご紹介します。
カリスマカラー愛用者に「プリズマカラー」は代替品になりえるのか?
「ベロールからプリズマカラーへ」その歴史と現状
カリスマカラーとプリズマカラー、この2つの色鉛筆の歴史は深く繋がっています。
元々、カリスマカラーは、アメリカのベロール社(Berol)が製造していたベロール・プリズマカラー(Berol Prismacolor)という色鉛筆の芯を、ベステック社が輸入し、日本国内で軸を付けて販売していたものです。つまり、カリスマカラーとベロール・プリズマカラーは、もともと「同じ芯」を使っていたと言えるのです。
その後、ベロール社は何度かの買収を経て、プリズマカラーのブランドは現在ニューウェルブランズ(Newell Brands)傘下のサンフォード(Sanford)が引き継いでいます。この過程で製造拠点がメキシコに移管され、一部のユーザーから「品質が低下した」という声が聞かれるようになりました。芯のずれや軸のひび割れなどが報告されるようになったのは、この製造拠点の変更が大きな要因とされています。
そして、カリスマカラーが廃盤になったのは、このメキシコ製のプリズマカラーとは別に、ベステック社が輸入していた良質な「芯」の供給が停止されたためです。
今、プリズマカラーを選ぶ理由
「品質が低下した」と言われるプリズマカラーですが、カリスマカラーの代替品として、今でも十分におすすめできる理由があります。

「芯」の系譜は同じ
最も重要な点は、プリズマカラーの芯が、カリスマカラーのルーツであるベロール・プリズマカラーの系譜を受け継いでいるということです。
現在のプリズマカラーも、カリスマカラーの特徴であった「油性色鉛筆とは思えないほどの滑らかな描き心地」と「鮮やかな発色」は健在です。実際に使ってみると、その芯の柔らかさや、色を重ねた時の混色の美しさは、やはりプリズマカラーならではの魅力だと感じられるでしょう。
低価格と圧倒的な色数
品質の懸念点を補って余りあるのが、その手に入りやすい価格と豊富な色数です。
- 手頃な価格: カリスマカラーと比較しても、プリズマカラーは比較的安価に手に入れることができます。これは、メキシコでの製造によるコスト削減の恩恵と言えるでしょう。初心者の方や、気軽に様々な色を試したい方にとっては大きなメリットです。
- 圧倒的な150色: プリズマカラーは、現在150色という非常に豊富なカラーバリエーションを展開しています。これだけ多くの色があれば、表現の幅は無限に広がります。微妙なグラデーションや複雑な色合いも、思いのままに表現できるでしょう。
確かに、個体差による品質のばらつきはゼロではありません。しかし、そのリスクを差し引いても、プリズマカラーが提供する表現力とコストパフォーマンスは、十分に魅力的だと言えます。
まずは少なめのセットから試してみて、ご自身の目で品質を確かめてみるのも良いでしょう。
高品質を求める方へ「デザートカラー色鉛筆」という選択肢
「それでも、あのカリスマカラーに近い品質がほしい」
「軸割れや芯折れに悩みたくない」という方には、デザートカラー色鉛筆もおすすめです。
- 日本国内で製造されている高品質色鉛筆
- 芯の均一性と軸の仕上げが丁寧で、プロも納得の使い心地
- 数量限定で販売されることもあり、知る人ぞ知る逸品
価格帯はやや高めですが、「一生使える色鉛筆を探している」という方にはぴったりです。
今、あなたに合った色鉛筆を
カリスマカラーの描き心地が忘れられない方には、
- 同じ芯の系譜を継ぐプリズマカラー
- さらなる品質を求めるならデザートカラー
という2つの選択肢があります。
品質と価格、色数のバランスを考慮し、ご自身のスタイルに合った色鉛筆を見つけて、新たなアートの世界を楽しんでくださいね。
デザートカラー色鉛筆については、こちらの記事で詳しくご紹介しています。
最後までお読み頂きありがとうございます。