明日香と万葉集が好きなみくるです。
犬養万葉記念館で頂いた「明日香村の万葉歌碑を歩く」を片手に万葉歌碑巡り、40基全て見て歩こうと思っています。
今回は「明日香村の万葉歌碑を歩く」40番の歌をご紹介します。
斎串立て神酒すゑ奉る神主部がうずの玉陰見ればともしも
歌碑は明日香村栢森の「加夜奈留美命神社」の境内にあります。
「加夜奈留美命神社」は、辺り一帯が霊的な空気に包まれている奥明日香にある神秘的な雰囲気の神社でした。
こちらの記事で詳しくご紹介しています。
歌碑は拝殿の右側に建っています。
(原文)
五十串立 神酒座奉 神主部之
雲聚玉蔭 見者乏文
巻13-3229 作者未詳
揮毫 鈴木葩光/書家
(読み下し)
斎串立て 神酒すゑ奉る 神主部が
うずの玉陰 見ればともしも
(現代語訳)
斎串を立て御神酒を捧げまつる神官たちの髪飾りのかずらは、見るからに奥ゆかしい。
揮毫の鈴木葩光さんは明日香村在住の万葉書家です。
齋串を立てて神酒を奉る神主が神を祭るときの様子を描き、その髪飾りに心がひかれることを詠んでいます。
(平成23年12月吉日 飛鳥古京を守る会建之)
「斎串」は榊や笹などの小枝に幣をかけて神に供えるものです。
「玉串」ともいいます。
「幣」は神に祈る時にささげる供え物で、麻・木綿・紙などで作られました。
「うず」は頭に挿して髪飾りにした木の枝や花などをいいます。
「玉かげ」は「ひかげのかずら」をほめて呼んだ言葉です。
「ひかげのかずら」は常緑の蔓性植物で杉に似た葉をつけます。
神酒と三輪山と大神神社
「神酒」と書いて「みわ」とふりがながあるのを見て、古来より酒の神様として信仰を集めて来た「三輪山」を思い起こしました。
こちらでお祀りされている「加夜奈留美命」は、「事代主神」の妹神「下照姫命」の御魂です。
「事代主神」は三輪山を御神体とする大神神社の御祭神である「大物主神」の御子とされます。
なので、「加夜奈留美命」は「大物主神」の御子ということになります。
酒の神様とゆかりの深いことから、ここに「神酒」を詠んだ歌碑が建っているのかもしれないと思いました。
事代主神を主祭神とする「飛鳥坐神社」では、下照姫命が御魂の加夜奈留美命とともに祀られています。
➡飛鳥坐神社とは|飛鳥坐神社公式ホームページ
その飛鳥坐神社に同じ歌碑があり、同じ説明板が建っていました。
飛鳥坐神社の公式サイトに
下照姫命〔したてるひめのみこと〕はその御魂〔みたま〕である加夜奈留美命〔かやなるみのみこと〕と共に祀られ、当社において飛鳥神奈備三日女神〔あすかのかんなびみひめのかみ〕の御神名で鎮まっておられます。事代主神の妹神で、皇室御守護、国民〔くにたみ〕をあたたかく照らす神様です。
飛鳥坐神社とは|飛鳥坐神社公式ホームページ
とあります。
飛鳥坐神社は好きでよく参拝する神社です。
同じ歌碑があることを不思議に思い、ゆかりを調べました。
万葉歌碑巡りがきっかけで、好きな神社のことを深く知ることができました。
加夜奈留美命神社に明治天皇遙拝所があったのも、皇室の守護神であらせられるからかもしれません。
霊的な空気が漂っていると感じたことにも納得がいきます。
加夜奈留美命神社へのアクセス
加夜奈留美命神社へのアクセスについては、こちらの記事をご参照ください。
➡奈良県明日香村栢森【加夜奈留美命神社】奥明日香一帯はスピリチュアルスポット!
明日香村の万葉歌碑を歩く
「犬養万葉記念館」で頂いた『明日香村の万葉歌碑を歩く』に掲載されている万葉歌碑40基をまとめてご紹介しています。
犬養先生が揮毫された万葉歌碑は日本全国に141基あり、その内の15基が明日香村にあります。
犬養先生の足跡を辿るような気持ちで、万葉歌碑を見て歩いています。
最後までお読み頂きありがとうございます。