NHK大河ドラマ「光る君へ」を毎週心待ちにしているみくるです。
今回は2024年6月2日放送の第22回「光る君へ紀行」で取り上げられていた白髭神社の紫式部の歌碑をご紹介します。
紫式部が、長徳2年(996年)に越前国司として赴任する父藤原為時に従って、この地を通った時に詠んだ歌です。
近江最古の大社「白髭神社」
境内の様子と御由緒
紫式部の歌碑が建っている白髭神社は、滋賀県高島市に鎮座する近江最古の大社で、全国にある白髭神社の総本社とされます。
沖島を背景として琵琶湖畔に鳥居を浮かべることから、「近江の厳島」とも称されます。
社記によると、垂仁天皇25年、倭姫命が社殿を御創建(一説に再建)されたと伝わります。また、天武天皇の白鳳3年(675年)、勅旨を以て「比良明神」の号を賜るとあります。
御祭神は猿田彦命です。
境内の鳥居越しに見る「湖中大鳥居」です。
大昔から白鬚明神前の湖中には鳥居があったと伝えられ、室町時代の屏風絵「近江名所図」や、江戸時代に描かれた当社の縁起絵巻にも湖中の鳥居が描かれている。
湖中大鳥居 | 湖中大鳥居・境内 | 近江最古の大社 白鬚神社
鳥居が湖中に建つ理由は諸説あるが、実際にあったという証拠もない。
古来波打ち際に鳥居が見え隠れしていたとも、天下異変の前兆として社前の湖中に石橋や鳥居が突然姿を現したとも言われる伝説の鳥居である。
この神秘的な鳥居が実際に建てられたのは昭和12(1937)年、大阪の薬問屋小西久兵衛氏の寄進によるもので、現鳥居は昭和56(1981)年にこれを建て替えたものである。
紫式部の歌碑
紫式部の歌碑は本殿横の石段を登って左手に建っています。
紫式部が、長徳2年(996年)に越前国司として赴任する父藤原為時に従って、この地を通った時に詠んだものです。
「近江の海にて三尾が崎といふ所に網引くを見て」という詞書があります。
三尾の海に 網引く民の てまもなく
立ち居につけて 都恋しも
越前に向かう途中、高島の三尾崎の浜辺で、漁をする人々の網を引く見なれぬ光景に、都の生活を恋しく思い出して詠んだ歌です。
昭和63年(1988年)に4月紫式部を顕彰し、高島町観光協会さんが建立されました。
越前に向かう道中の様子やこの歌を詠む場面などが、物語で描かれるかと期待していましたが、すぐに越前での場面になったのは残念でした。
紫式部が塩津山を詠んだ歌
「光る君へ紀行」では、塩津山を越える山道でも歌を詠んだことが紹介されていまいした。
知りぬらむ 行き来にならす 塩津山
世にふる道は からきものぞと
現代語訳
おまえたちもわかったことでしょう。通い慣れた塩津山も、世の中を渡るための道となるとつらいものだということを。
この歌は、紫式部を乗せた輿を担ぐ人足たちが「いつ通っても難儀な道だ」と愚痴を言っているのを聞いて詠んだ歌です。
すぐに都を恋しがるのも、輿を担いでくれている人足たちに世の辛さを説くのも、「光る君へ」で描かれているまひろの雰囲気にはそぐわないので、番組では描かれなかったのかもしれません。
とは言っても、夕暮れ時の琵琶湖はつい感傷に浸ってしまう美しさでした。
光る君への登場人物が詠んだ歌
5月27日は「百人一首の日」でした。1235年(文暦2年)のこの日、藤原定家によって『小倉百人一首』が完成した、とされているためです。
「光る君へ公式X」さんが登場人物たちを「百人一首かるた」にされていました。
「光る君へ」の登場人物の中には、「百人一首」に選ばれた人が8人もいます。
当サイトでは「光る君へ」の登場人物たちが詠んだ歌を番組での描かれ方と感想を交えてご紹介しています。
42番/清原元輔(清少納言の父)
➡【なぞりがき百人一首】清少納言にプレッシャーを与える存在「42番/清原元輔」〈光る君へ〉
53番/右大将道綱母(藤原道綱母)
➡【なぞりがき百人一首】「光る君へ」登場で注目集まる!道綱母の歌~兼家との輝かしい日々
54番/儀同三司母(高階貴子)
➡「光る君へ」で道隆が最後に口にした妻の歌「54番/儀同三司母」【なぞりがき百人一首】
55番/大納言公任(藤原公任)
➡【なぞりがき百人一首】「光る君へ」町田啓太さん演じる貴公子ぶりが人気!「55番/大納言公任(藤原公任)」
57番/紫式部
➡大河ドラマ「光る君へ」のタイトルはこの歌から!?【なぞりがき百人一首】57番/紫式部
59番/赤染衛門
➡大河ドラマ「光る君へ」に登場で話題!【なぞりがき百人一首】59番/赤染衛門を演じるのは元タカラジェンヌ
62番/清少納言
➡【なぞりがき百人一首】「光る君へ」ファーストサマーウイカさんの魅力的な演技で人気!「62番/清少納言」
8人目は三条院(三条天皇)です。
三条天皇が登場されたらまた記事にしようと思っています。
白髭神社へのアクセス
滋賀県高島市鵜川215
境内に広い無料駐車場があります。
詳しくは白髭神社の公式サイトをご覧下さい。