古墳を見て歩きながら、古代に想いを馳せるのが好きなみくるです。
今回はホケノ山古墳のすぐ西側ある「堂ノ後古墳」と、「宮ノ前古墳」をご紹介します。堂ノ後古墳は、ホケノ古墳と同じく墳丘に登れる古墳で、墳頂から箸墓古墳の美しい後円部を見ることができます。
纏向地域に点在する古墳
堂ノ後古墳
「堂ノ後古墳」は「どのうしろこふん」と読みます。全長63m以上と推定される前方後円墳です。
直径35メートルの円墳とみられていましたが、2009年(平成21年)の発掘調査で、前方部の存在が確認されました。
その際に出土した須恵器や埴輪から、5世紀後半から末頃にかけて築造された前方後円墳であることが明らかになりました(堂ノ後古墳、実は5世紀後半/奈良・桜井市教委が発掘調査 )
堂ノ後古墳に設置の説明板は円墳のままになっていました。
堂ノ後古墳
纒向地域から南の茅原の地域にかけての丘陵部には、有名な珠城山古墳群や箸墓古墳、茅原大墳古墳などがあるが、この地域にはほかに20数基の中・小規模の古墳が散在している。数基の方墳のほかは古墳時代後期の円墳と見られ、中には前方後円形を呈するものもいくつかあるようだ。堂ノ後古墳もこれらの古墳群の中の一つで、調査が行われていないため詳細は不明だか、径35m程度の円墳のようだ。
堂ノ後古墳の説明板
説明板が設置されたのは、発掘調査が行われる前だったのですね。いくつかある「前方後円形を呈する」古墳のうちのひとつだったということになります。
5世紀後半から末頃にかけての築造ということで、ホケノ山古墳の築造からは200年以上経っているのですが、すぐ横に造られているということから、この古墳に埋葬されたのは、ホケノ山古墳の被葬者との「ゆかり」を主張したい人物だったのかもしれません。
案内板の向こうに見えるのがホケノ山古墳です。
案内板に従って進むとホケノ山古墳が綺麗に見えました。ため池が周濠のようになっています。
墳丘の上に登ることができます。
墳頂からは箸墓古墳の後円部が綺麗に見えました。箸墓古墳の美しさがよく分かります。
5世紀後半から末頃にかけて築造された前方後円墳としては、この地域では突出した規模を誇る古墳とのことです。周濠部からは円筒埴輪片、鶏形埴輪の頭部などが出土しています。
宮ノ前古墳
堂ノ後古墳のすぐ南側にある茂みの中には「宮ノ前古墳」があります。
⇩右手が堂ノ後古墳、左手が宮ノ前古墳がある茂みです。正面は箸墓古墳です。
宮ノ前古墳は古墳時代後期(6世紀頃)築造の径15mの円墳です。
草が茂っていたので登らなかったのですが、墳丘上には大きな石が3つ確認できるそうです。主体部は横穴石室ではないかと考えられています。
宮ノ前古墳は國津神社社殿の裏にあります。
堂ノ後古墳から神社の境内に抜けることができるようですが、ぐるりと廻って鳥居から入りました。右手の茂みが宮ノ前古墳です。
國津神社についてはこちらの記事でご紹介しています。
八王子塚古墳
箸墓古墳からホケノ古墳に向かう途中で見つけた灯篭とお地蔵さまが気になったので写真を撮りました。
三輪山を背景とした美しい景観です。
あまり情報が無く定かではないのですが、かつてはここに径6mほどの高まりがあり、八王子塚と呼ばれる小さな古墳があったそうです。
美しい三輪山と箸墓古墳を眺めながら散策。ゆっくりと古代に想いを馳せられる気持ちの良い所でした。
堂ノ後古墳へのアクセス
奈良県桜井市箸中
グーグルマップに表示が無いのですが、ホケノ古墳のすぐ西隣、國津神社のすぐ北隣にあります。
ホケノ古墳の駐車場を利用されると便利です。
こちらの記事で「ホケノ山古墳」についてご紹介しています。
最後までお読み頂きありがとうございます。