『古事記』や『日本書紀』の伝承地を訪れるのが好きなみくるです。
今回は淡路島の南に浮かぶ島「沼島」のシンボルの上立神岩についてご紹介します。
沼島は南あわじ市灘の沖4.6 キロに位置する離島で、記紀神話に登場する「国生み神話」の舞台「おのころ島」の最有力候補地です。
こちらの記事で沼島の見所をまとめてご紹介しています。
国生み神話の象徴「上立神岩」
上立神岩の行き方
上立神岩は沼島汽船が着く沼島港の反対側にあります。島をまっすぐ南へ縦断する経路が最短です。私はこのルートで行きました。
真夏に行ったので、バテてしまい45分ほどかかったのですが、普通に歩いたら30分ほどの距離です。
ガイドマップには「おすすめコース」として、おのころ神社、上立神岩、八角井戸、梶原五輪塔、沼島八幡神社、神宮司、弁財天神社などを巡りならが山も散策できるコースがご紹介されています。
ウォーキングのみの場合は約2時間ですが、見学の時間を含めると4時間ほどかかりそうです。
他に「おのころクルーズ」を利用する経路もあります。
沼島の漁師さんが自らの漁船で沼島をぐるっと一周してくれます。海からでないと見ることができない奇岩の表情が楽します。女まわりで巡ります。
詳しくは、沼島観光案内所の公式サイトをご覧ください。
沼島のシンボル「上立神岩」
上立神岩への最短コースは、島の中央を横断する道路を上りきり、急坂を下るというアップダウンの激しいものでした。
休憩所
息を切らして歩くこと45分、休憩所が見えて来ました。
休憩所から眼下に広がる海を眺めた時は感動。疲れが吹き飛ぶ瞬間です。
絶景スポットはまだ先です。
展望台
休憩所から階段を登り、先に展望台に向かいました。
素晴らしい眺めです。
振り返ると国生み神話の舞台らしい神秘的な景色が広がっていました。
南淡自然八景
休憩所の「南淡自然八景」の碑です。
沼島の海岸線には奇石や岩礁が多く見られるが、その中でも、そびえたつ高さ30メートルの上立神岩は圧巻である。
南淡自然八景「上立神岩」の碑
竜宮の表門とも呼ばれる何とも神秘的な岩だ。
江戸時代中期に編纂された百科事典である『和漢三才図会』に「竜宮の表門」と書き記されています。
以下8か所が「南淡自然八景」です。
- 灘海岸と黒岩水仙郷
- 大見山(若人の広場)
- 沼島(上立神岩)
- 諭鶴羽山
- 吹上海岸(阿万海水浴場含む)
- 鳴門海峡(道の駅うずしおから望む眺望)
- かるも海岸
- 休暇村からの福良湾眺望
「南淡自然八景」めぐりをするのも楽しそうです。
絶景スポット
休憩所から約137m下ると絶景スポットに到着します。
途中に「上立神岩」の説明板がありました。
「矛先」のような形をした沼島のシンボルの岩です。
上立神岩の説明板
高さ30mで国生み神話の「天の御柱」とも言われております。
主として、緑泥片岩からなる巨石で海鵜(うみう)の休息場となっています。
和漢三才図会(わかんさんさいずえ)では、竜宮城伝説の表門ともいわれ、国生み神話の舞台となっています。
国生み神話の舞台への期待が高まります。
絶景スポットから見る上立神岩です。
実際に見ると凄い迫力で感動しました。
この辺りの岩は、泥質片岩と呼ばれる珍しいものです。
近年では、中央にあるくぼみがハートの形に見えることから、恋愛成就のパワースポットにもなっているそうです。
本当にハート形に見えました!
天の御柱!?天の沼矛!?
この高さ30mの巨石が「天の御柱」で、イザナギとイザナミが周囲を回り「御陰の目合(陰部の交わり)」をしたのでしょうか。
それとも、イザナギとイザナミが下界かきまわした「天の沼矛」なのでしょうか。
イザナギとイザナミの二神が天上の「天の浮橋」に立って、「天の沼矛」をもって青海原をかきまわし、引き上げた矛の先から滴り落ちた潮が自ら凝り固まってできた島が「おのころ島」とされています。二神はその島に降りたち「天の御柱」の周りを回り、夫婦の契りを結んで国生みをしました(国生み神話)。
「日本発祥の地」とも言えるおのころ島の場所については、さまざまな説があり、候補地もいろいろとあります。
記紀で記された場所がどこなのかは今となってはもう分かりませんが、上立神岩がある沼島が最有力候補地というのにも納得の神秘的な島でした。上立神岩を見るだけでも沼島に行く価値があると思ったほどです。
沼島へのアクセス
兵庫県南あわじ市沼島
沼島へは淡路島南部、灘の土生港から出ている沼島汽船に乗って行きます。
沼島汽船についてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。
最後までお読み頂きありがとうございます。