NHK大河ドラマ「光る君へ」の放送を毎週楽しみにしているみくるです。
平等院で『源氏物語』の世界に浸り、藤原摂関時代をしのんだあとは、宇治川沿いの道を歩き、朝霧橋のたもとの「宇治十帖のモニュメント」を見たあとは、宇治上神社へと向かいました。
宇治上神社は、京都府宇治市宇治山田にある神社です。ユネスコの世界遺産に「古都京都の文化財」の構成資産の1つとして登録されています。
かつては平等院の守護神として崇められていた古社であり、現存する神社建築の中で日本最古の歴史を誇ります。
世界遺産「宇治上神社」
御由緒
創建年代などは明らかではありません。宇治上神社のすぐ近くにある「宇治神社」とは、二社一体の存在でした。
宇治上神社の境内は『山城国風土記』に見える菟道稚郎子の離宮「桐原日桁宮」の旧跡であると伝え、両社旧称の「離宮明神」もそれにちなむと言われています。
応神天皇の末の皇子であった菟道稚郎子は幼い頃から博識聡明だった。そのため父君の応神天皇が大切に手をかけて育まれ、皇太子となった。
しかし、応神天皇が亡くなられ、菟道稚郎子は兄である大鷦鷯尊(後の仁徳天皇)に天皇の位を譲られた。そして、現在の宇治の地に離宮を建て、一線から退かれた。しかし、大鷦鷯尊も「菟道稚郎子が、皇位を継ぐことは、応神天皇が定められたことなので、変えることはできない」と言い、3年間もの間、皇位を譲り合った。
国民は戸惑い、世の中も乱れ始め、菟道稚郎子は自身の行いで、このあり様をご覧になり、悲しまれ、心を痛まれて、「このまま私が生きていれば、世の中が乱れるばかりだ」と、自ら命を絶った。これを知った大鷦鷯尊は、難波から急遽、宇治へお越しになり、驚きと悲しみの中、菟道稚郎子を手厚く葬られた。
これが、後々になって当社の創建のいわれとなる。
御祭神と当社の歴史 | 世界文化遺産 宇治上神社
御祭神
- 菟道稚郎子命(うじのわきいらつこのみこと)
『日本書紀』では「菟道稚郎子」、『古事記』では「宇遅之和紀郎子」と表記されます。応神天皇の皇子。天皇に寵愛され皇太子に立てられたものの、異母兄の大鷦鷯尊(後の仁徳天皇)に皇位を譲るべく自殺したという話で知られます。 - 応神天皇(おうじんてんのう)第15代天皇。菟道稚郎子命の父。
- 仁徳天皇(にんとくてんのう)第16代天皇。菟道稚郎子命の異母兄。
学問の神様としても信仰されていて、合格祈願や学業成就の隠れたパワースポットとしても人気があります。
境内
鳥居
鳥居の横には「世界文化遺産 宇治上神社」と彫られた石柱があります。
この石畳の道はさわらびの道と呼ばれる、『源氏物語・宇治十帖』ゆかりの地をめぐる散策道です。
拝殿(国宝)
鎌倉時代前期の造営で、寝殿造の遺構といわれます。切妻造、檜皮葺き。屋根は切妻造平入りの屋根の左右端に片流れの庇屋根を設けます。
切妻屋根と庇屋根の接続部で軒先の線が折れ曲がっており、こうした形を縋破風と称します。周囲に榑縁をめぐらし、内部は板床と天井を張り、蔀戸を多用した住宅風の構えです。
国宝に指定されています。
本殿(国宝)
平安時代後期に建てられたもので、国宝に指定されています。神社建築としては最古のものとされ、左殿、中殿、右殿の内殿三棟を覆屋で囲んでいる特殊な形をしています。
内殿は左殿(向かって右)に菟道稚郎子命、中殿に応神天皇、右殿(向かって左)に仁徳天皇をお祀りします。
近年行われた年輪年代測定によると、本殿は1060年、拝殿には1215年頃の木材が使用されていることが明らかになりました。
ユネスコの世界文化遺産の1つ
宇治上神社は「古都京都の文化財」の構成遺産の1つとして、ユネスコの世界文化遺産に登録されています。
古都京都の文化財(京都市、宇治市、大津市)京都府京都市・宇治市、滋賀県大津市の2府県3市に点在する構成資産17件から成るユネスコの世界遺産リスト登録物件(文化遺産)。1994年(平成6年)に日本で5件目の世界遺産として登録されました。宇治市では、平等院と宇治上神社が登録されています。
宇治上神社へのアクセス
京都府宇治市宇治山田59
無料駐車場がありますが、「御祈祷やお詣りの間のみご利用いただけます。他所へ行かれた際には、駐車料金として3000円お納めいただきます。また、マイクロバス並びに大型バスは、付近の道が狭いため、ご利用いただくことはできません。
御祈祷を受けられた方がお呼びになられたカメラマンの方は、近くの有料駐車場へ停めてください。お詣りの方が優先です。ご協力ください。」と案内されているので、ご注意下さい。
宇治上神社の他に周辺の観光をされる場合は、宇治神社の隣にある民間駐車場「朝霧駐車場」や、平等院南門前にある「宇治駐車場」がおすすめです。
JR宇治駅からは徒歩15分ほどです。
こちらの記事では、藤原道長の別荘「宇治殿」を息子の頼道が寺院に改め創建した「平等院」をご紹介しています。
最後までお読み頂きありがとうございます。