色々な色鉛筆を使っては、色合いや塗り心地の違いを楽しんでいるみくです。
ドイツの色鉛筆「ポリクロモス」と「ゴールドファーバー」は、同じファーバーカステル社の製品ですが、実際に使ってみると、色名や色の構成に違いがあることに気づきます。
今回、ゴールドファーバー48色セットを新しく購入したことをきっかけに、手持ちのポリクロモス60色セットと色を比べてみました。
すると、特に黄色系・赤系の色において、
- 色名の付け方
- セットに含まれる色の種類
- 実際に塗ったときの印象
に、はっきりとした違いがあることが分かりました。
この記事では、作成した比較表と塗り比べ見本を中心に、ポリクロモスとゴールドファーバーの「黄色・赤系の色の違い」を見ていきます。
色名で読み解くファーバーカステル色鉛筆①|黄色・赤系の違いを比較
比較の方法について(前提)
今回の比較は、次の条件で行っています。
- ポリクロモス:60色セット
- ゴールドファーバー:48色セット
- 同系色を並べ、色名と発色を比較
- 実際に紙に塗り、見た目の違いを確認
※メーカーが公式に「この色はこういう用途」と説明しているわけではありません。
ここで述べる内容は、色名の意味や一般的な画材知識、実際に塗った印象をもとにした考察である点を、あらかじめ明記しておきます。

今回作成した比較表は、ポリクロモスおよびゴールドファーバーに付属している「公式パンフレット」をもとにしています。
どの色が、どのセットに含まれているかは、メーカーが公式に示している情報に基づいて整理しています。
黄色系の違い|カドミウムが付く色名に注目
黄色系でまず目につくのが、「カドミウム(Cadmium)」という言葉が付く色名です。

カドミウムイエローとは?
カドミウムイエローは、伝統的な絵画用顔料の分類では、
- 発色が強い
- 不透明感がある
- 明るく、主張のはっきりした黄色
という性格を持つ色として知られています。
現代の色鉛筆では、必ずしも実際にカドミウムを含んでいるとは限らず、色味や性格を再現した「色名」として使われている場合が多いとされています。
(※顔料の詳細配合はメーカーからは公開されていません)
実際に塗って感じた違い
比較してみると、
- ポリクロモスの黄色は
→ 彩度が高く、存在感がある - ゴールドファーバーの黄色は
→ 少しやわらかく、なじみやすい印象
に感じられました。
はっきり見せたい部分にはポリクロモス、やさしくまとめたい場面ではゴールドファーバー、という使い分けがしやすそうです。
赤系の違い|レーキ系とピンク寄りの赤
赤系では、「Lake(レーキ)」が付く色名が特徴的です。

レーキ系の赤とは?
レーキ(Lake)とは、もともと染料由来の色を顔料化したものに由来する呼び名で、
- 透明感が出やすい
- 重ね塗りで深みが増す
- ベタっと重くなりにくい
という性質を持つ色として知られています。
Pale Geranium Lake の印象
ポリクロモス60色セットに、ゴールドファーバー48色セットにも含まれている「Pale Geranium Lake 」は、
- 淡く
- やさしく
- ピンク寄りで可愛らしい
印象の赤です。
Geranium(ゼラニウム)は花の名前で、その花色をイメージした色名と考えられます。
実際に塗ってみると、日本でいう「ももいろ」に近い感覚で使える赤だと感じました。
ポリクロモスとゴールドファーバーの赤系の傾向
塗り比べから感じた全体的な傾向としては、
- ポリクロモス
→ 色の種類が多く、レーキ系・カドミウム系など、役割の異なる赤がそろっている - ゴールドファーバー
→ 色数はやや絞られ、 使いやすさ重視の赤が中心
という印象です。
これは、
- ポリクロモス:「表現の幅」を重視したシリーズ
- ゴールドファーバー:「描きやすさ」を重視したシリーズ
という立ち位置の違いによるものだと考えられます。
※こちらも公式な区分ではなく、実際に使った印象に基づく整理です。
ピンク色が入っていない理由と、白を重ねるという考え方
比較表を作成して改めて感じたのが、ゴールドファーバー48色セットには、いわゆる「ピンク色」と名付けられた色が入っていないという点です。
※ポリクロモスには、60色セットからピンクと名付けられた色「pink madder lale」が入っています。

日本の色鉛筆では、12色セットの段階から「ピンク」や「ももいろ」が含まれていることが多く、最初は少し意外に感じました。
なぜファーバーカステルにはピンクが少ないのか
これは、ファーバーカステルが混色や重ね塗りを前提とした色設計になっているためだと考えられます。
(※これはメーカー公式の明言ではなく、色構成や画材思想から読み取れる一般的な解釈です)
ファーバーカステルの色鉛筆には、
- Pale Geranium Lake
- Light Magenta
- Madder 系の赤
など、ピンクに近い性格の赤は複数用意されています。
これらの色に白(ホワイト)を重ねることで、日本で言うところの「ピンク色」「ももいろ」を表現することができます。
12色セットから白が入っているのはそのためです。
白を重ねて作るピンクの特徴
実際に試してみると、
- 赤の上に白を重ねる
- または、赤を薄く塗ってから白でなじませる
ことで、
- ふんわりした明るさ
- 透明感のあるピンク
- 単色のピンクよりも奥行きのある色
が生まれます。
これは、
- レーキ系の赤が持つ透明感
- 白の明度調整効果
が合わさるためです。
比較して分かる、日本製色鉛筆との考え方の違い
- 日本の色鉛筆
→ ピンクは「最初から用意されている基本色」 - ポリクロモス
→ ピンクは「作る色・調整する色」
この違いは、優劣ではなく色に対する考え方の違いだと思います。
どちらが良いというよりも、
- 手軽さを求めるなら、日本的な色構成
- 表現の幅を楽しみたいなら、ファーバーカステル
という選び方ができると、色鉛筆選びがより楽しくなりますね。
まとめ|色名を知ると、色鉛筆の個性が見えてくる
今回、黄色・赤系の色を比較してみて、色名は単なる名前ではなく、
- 色の性格
- 得意な役割
- 向いている使い方
を示すヒントになっていると感じました。
- カドミウム系の色
→ 強く、明るく、主役になる色 - レーキ系の色
→ 透明感があり、なじませやすい色
こうした違いを知っていると、「どの色鉛筆を選ぶか」だけでなく、「どの色を、どこに使うか」も考えやすくなります。
セットに「ピンク色」が入っていなくても、色名の意味を知り、白を重ねることで、自分の描きたい「ピンク」を作ることができます。
色名と色構成を知ることは、色鉛筆をより自由に使いこなす第一歩だと感じました。
次回は、青系・緑系の色名と色の違いについても、同じように表と塗り比べを中心に見ていきたいと思います。
色名を手がかりに、色鉛筆の世界をもう一歩深く楽しんでいきましょう。
今回使用した色鉛筆
ファーバーカステル ポリクロモス60色セット
ポリクロモス色鉛筆60色セット
ファーバーカステル ゴールドファーバー48色セット
ゴールドファーバー色鉛筆 48色セット
最後までお読み頂きありがとうございます。

