【奈良まほろばソムリエ検定】受験を終えての感想と出題された問題「奈良通2級」

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SNSのプロフィール等でよくお見かけする「奈良まほろばソムリエ」に憧れているみくるです。

「奈良まほろばソムリエ」とは、奈良商工会議所主催の「奈良まほろばソムリエ検定」(通称「奈良検定」)最上級の「奈良まほろばソムリエ」の合格者のことをいいます。

奈良まほろばソムリエ検定 公式テキストブック

憧れの「奈良まほろばソムリエ」の第一歩として、2024年3月3日に天理大学で実施された第17回「奈良まほろばソムリエ検定」の「奈良通2級」を受験してきました。
受験を終えての感想と、出題された問題をご紹介します。

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試験会場の様子と試験開始までの流れ

「奈良通2級」と「奈良通1級」は奈良会場(奈良県天理市の「天理大学」)と、東京会場(東京都港区の「赤坂スターゲートプラザ」)で受験できます。

「奈良ソムリエ」は奈良会場のみです。

詳しくは主催の「奈良商工会議所」のページをご覧ください。
奈良商工会議所 > 奈良まほろばソムリエ検定 -通称・奈良検定- > 実施要項

私は奈良会場の「天理大学」で受験しました。

奈良まほろばソムリエ検定 試験会場「天理大学」

試験時間は10時30~12時までの90分間。
9時50分ごろに教室に入ると、既に多くの方が席に着いておられました。

奈良まほろばソムリエ検定 試験会場の教室

10時10分に解答用紙のマークシートが配布され、説明を聞きながら受験番号や氏名などを記入します。

記入が終わると問題用紙が配布されました。
問題は全部で100問、配点は問題1問につき1点。
70%以上の正解で合格です。

奈良まほろばソムリエ検定 問題用紙

試験開始後30分から退出が可能でした。
挙手して解答用紙を回収して頂きます。

45分後には、半分近くの方が退出されていました。

繰り返し出題されていた問題は今年も

「奈良まほろばソムリエ検定」の「奈良通2級」は今年(2024年)で第17回目です。

過去問題16回分全てに目を通して試験に挑みました。
繰り返し出題されている問題が多くあり、過去問題を解くのが一番の受験対策だと思ったからです。

繰り返し出題されている問題はこちらの記事でご紹介しています。

過去に出題されていたのと同じ問題や似た問題が9割ほどあったように思います。

例えば次のような問題です。

1.奈良県の気候・地理・動植物に関することがらについて

  • 奈良県南部は高峻な山岳地帯となっているが、奈良県の最高峰はどれか。
  • 曽爾高原の山肌一面を覆うことで知られる植物はどれか。
  • 百毫寺がその名所とされ、『万葉集』に最も多く歌われている花はどれか。

2.奈良県の歴史に関することがらについて

  • 奈良時代に孝謙太上天皇の寵愛を受けて権力を握ったが、最後には失脚した僧侶は誰か。
  • 平安時代の治承4年(1180)に南都の寺院を焼き討ちした人物は誰か。
  • 信貴山城に立て籠もり、織田信長の軍勢に攻め滅ぼされた武将は誰か。

3.奈良県の遺跡や古墳に関することがらについて

  • 出土した土器片の絵画に基づいて古代の楼閣が復元されている弥生時代の遺跡はどれか。
  • 御所市の宮山古墳(室大墓)の北方に広がり、古墳時代の堅固な板塀や掘立柱建築群が発見された遺跡はどれか。
  • 平成9年(1997年)に33面の三角縁神獣鏡が出土した、天理市柳本町にある古墳はどれか。
三角縁神獣鏡が出土した黒塚古墳
三角縁神獣鏡が出土した黒塚古墳

4.奈良県の寺社に関することがらについて

  • 「大和国一之宮」である神社はどれか。
  • 十津川村の玉置神社は古くからどこの奥の院といわれているか。
  • 鎌倉時代に西大寺や般若寺など、多くの寺院の復興に努めた高僧は誰か。
  • 「大和三名園」の一つに数えられる慈光院の庭園を設計した人物は誰か。

何度も出題されている「宇太水分神社」については当ブログでもご紹介しています。
宇陀市菟田野古市場【宇太水分神社】鎌倉時代に建てられた本殿3棟【国宝】

  • 「大和四所水分神社」のうち、春日造の本殿が国宝に指定されているのはどれか。
宇陀水分神社の春日造の本殿(国宝)
宇太水分神社の春日造の本殿(国宝)

5.奈良県の建築、彫刻、絵画に関することがらについて

  • 奈良県内にある神社本殿の建築様式として、最も多いものはどれか。
  • 飛鳥寺の本尊で、「飛鳥大仏」と呼ばれている仏像はどれか。
  • 円成寺の国宝大日如来坐像を若き日に制作したという仏師は誰か。
飛鳥大仏が祀られている飛鳥寺
飛鳥大仏が祀られている飛鳥寺

6.奈良県に関連する文学について

  • 「大和は 国のまほろば たたなづく青垣 山こもれる 大和しうるはし」は誰の歌とされるか。
  • 『万葉集』にある「東の 野にかぎろひの 立つ見えて かへり見すれば 月傾きぬ」の歌はどこで詠まれたか。
  • 『枕草子』の「市は」の段に出てくる「海柘榴市」は、現在のどの市町村にあったとされるか。

在原業平の歌に詠まれた川を問う問題は初めての出題のように思います。

  • 「ちはふる 神代も聞かず」で始まる、在原業平の歌に詠まれた川はどれか。

こちらの記事で歌に詠まれた竜田川の景観と、よく出題されている能因法師の歌をご紹介しています。
奈良まほろばソムリエ検定「奈良通2級」で出題!在原業平の歌と紅葉の竜田川

在原業平の歌に詠まれた竜田川の紅葉
紅葉が美しい竜田川

7.奈良県の伝統工芸や特産品に関することがらについて

  • 「茶筅作り」で知られる高山町はどの市に属しているか。
  • 江戸時代に「南都髄一」と称された「奈良晒」の原料はどれか。
  • 平群郡や葛城市が主な産地で、生産量日本一の種類もある鑑賞花はどれか。

直前対策の記事でご紹介した「弘法大師が唐から茶の種子を持ち帰り、室生に種を蒔き、製法を伝えたことに始まる」という「大和茶」に関連する問題が今年も出題されました。

  • 大同元年(806)に弘法大師が唐から持ち帰った茶の種子を蒔き、製法を伝えたとされるのはどこか。

こちらの記事で大和茶発祥伝承地として有名な仏隆寺をご紹介しています。
弘法大師が唐から持ち帰った茶臼が寺宝として伝わります。
茶臼を問う問題もよく出題されています。
【宇陀市榛原赤埴】彼岸花の咲き乱れる【仏隆寺】天然記念物の山桜も

仏隆寺の本堂前に建つ「大和茶発祥伝承地」の石碑
仏隆寺の本堂前に建つ「大和茶発祥伝承地」の石碑

8.奈良県の祭り・伝統行事等に関することがらについて

  • 五穀豊穣と国民安寧を祈願して行われる春日若宮神社の例祭は一般に何と呼ばれるか。
  • 風の神に五穀豊穣を祈願する「風鎮大祭」を7月に行う神社はどこか。
  • 砂を雨に見立てて激しく掛け合う「砂かけ祭り」が行われる神社はどこか。

9.奈良の観光や文化に関することがらについて

  • 世界遺産「古都奈良の文化財」に含まれるのはどの寺院か。
  • 世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」として登録された、高野山と熊野本宮を最短距離で結ぶ熊野参詣道の名称はどれか。
  • 次の古い町並みのうち、門前町の性格を色濃く保つのはどれか。

特集問題「法隆寺」

第10回より事前にテーマが公開される特集問題が出題されています。
2024年実施の第17回の特集問題は「法隆寺」でした。

特集問題は毎年10問出題され、その半数以上が過去問題に無い問題なので、対策を難しく感じていました。

今回出題された10問のうち4問は過去問題にあるのと同じか似た問題でした。

  • 法隆寺が世界遺産に登録されたのはいつか。
  • 聖徳太子が父用明天皇の遺志を引き継ぎ、斑鳩寺を建てたのは何年頃のことか。
  • 法隆寺五十塔初層にある、仏教説話を表現した群像は、素材による分類でどれに入るか。
  • 「柿食えば 鐘が鳴るなり 法隆寺」と詠んだ文学者はだれか。

6問は、私が覚えている限りでは、初めて出題された問題でした。

  • 法隆寺金堂の「中の間」にまつられる像はどれか。
  • 法隆寺五重塔の相輪にみられる他にない特徴はどれか。
  • 聖徳太子像をまつり、「お会式」が行われる法隆寺の建物はどれか。
  • 法隆寺西院伽藍の諸門のうち、金剛力士像(仁王像)が建つ門はどれか。
  • 「峯の薬師」と呼ばれる薬師如来像をまつる建物はどれか。
  • 法隆寺の大宝蔵院にまつられる「百済観音」が左手に持つのはどれか。

法隆寺に参拝した折に、中門に金剛力士像があったのが印象に残っていて覚えていました。

法隆寺中門と五重塔
法隆寺の中門と五重塔
中門の金剛力士像

中門の向こうに見えるのが五重塔です。
この写真では確認できませんが、相輪にがついているのが特徴です。

五重塔最下層の心柱の四方には塑土で洞窟のような舞台を造り、釈迦に関する四つの説話から四つの場面が塑像の小群像で表されています。

仏像の特徴を問う問題がよく出題されているので、『拝んでしあわせ 奈良の仏像100』を読んで試験に臨みました。

拝んでしあわせ奈良の仏像100

イラストレーターの田中ひとみさんが、仏像の特徴を捉えたイラストと文章で奈良の仏像の魅力を紹介して下さる本です。

今回出題された「百済観音」は

【百済観音立像】木造/飛鳥時代/像高209cm/国宝

顔が小さく、八頭身というより九頭身くらいに見える。横から見ると、なお折れそうに細い。まるでモデルのようにスタイルがいい。以前は「虚空菩薩」と呼ばれていた。明治に現在の宝冠が発見され、そこに観音の特徴である化仏が線で刻まれていたことから、当初は観音像としてつくられたものと判明したのだ。(中略)左手の水瓶の持ち方が、まるでとっくりを持っているように見えるので別名「酒買い観音」とも。

拝んでしあわせ奈良の仏像100

と紹介されています。

イラストに描かれているとっくりを持っているような水瓶の持ち方が面白かったので、よく覚えていました。
イラストをお見せできないのが残念です。

境内マップと、どのお堂にどの仏像が収められているかがイラストで描かれている「境内マップ」も大変役に立ちました。
試験対策だけでなく、奈良のお寺巡りのおともにしたいお勧めの本です。

合格への近道

「奈良まほろばソムリエ検定」の「奈良通2級」合格への近道は過去問題に出題されている箇所を覚えることです。

問題文と解答が入れ替わっている問題もよく出題されます。
例えば次のような問題です。

  • 東大寺大仏殿との類似性から「試みの大仏殿」と呼ばれる本堂がある寺院はどれか。
    解答)喜光寺
  • 喜光寺の本堂はその類似性からなんと呼ばれているか。
    解答)試みの大仏殿

「奈良まほろばソムリエの会」さんの「ズバリ!奈良検定2級の要点整理」も活用させて頂きました。
よく出る箇所をコンパクトにまとめて下さっています。
公式テキストの該当するページが記載されているので、テキストに戻って確認することもでき、大変役に立ちました。

試験結果は3月18日から奈良商工会議所ホームページで確認できます。
結果が分かりましたらお知らせします。

※解答は発表されてから追記します。

「奈良通2級」の難易度

2023年に実施された第16回奈良まほろばソムリエ検定「奈良通2級」の合格率は84.5%です。
奈良商工会議所 > 奈良まほろばソムリエ検定 -通称・奈良検定- > 試験結果

同じ問題が繰り返し出題されるので、過去問題対策だけで合格可能な試験です。難易度は易しいと言えるかもしれませんが、難しい問題も多く出題されるので、しっかりと対策する必要があります

『奈良まほろばソムリエ検定 公式テキストブック』や「奈良まほろばソムリエの会」さんのサイトを有効活用して合格を目指しましょう。

奈良まほろばソムリエの会さんの「ズバリ!奈良検定2級の要点整理」の34ページで「奈良まほろばソムリエ」合格まで使える書籍を紹介して下さっています。

1.『奈良県の歴史散歩』(上・下)奈良県高等学校教科書等研究会歴史部会編 山川出版社
2.『奈良の寺』 奈良文化財研究所編 岩波新書
3.『古代国家の成立』(日本の歴史2) 直木幸次郎著 中公文庫
4.『奈良の都』(日本の歴史3)中公文庫
5.『日本100の仏像』 田中日佐夫監修(JTBキャンブックス)JTB 1700円
6.『きょうの奈良―まほろばの365日』 小野久仁子著 紫紅社
7.『増補改訂版 奈良「地理・地名・地図」の謎』当会監修 実業之日本社 1000円
8.『奈良の隠れ名所』当会著 実業之日本社
9.『奈良百寺巡礼』当会著 京阪奈情報教育出版
10.『奈良万葉の旅百首』当会著 京阪奈情報教育出版

これらは来年以降に受験する予定の「奈良通1級」と「奈良まほろばソムリエ」対策に活用しようと思っています。

10番の『奈良万葉の旅百首』は当サイトでもご紹介させて頂いています。

祝合格!【奈良まほろばソムリエ検定】(奈良通2級)

過去問題を中心とした学習が功を奏して、無事合格することができました。こちらの記事で試験結果をお知らせしています。

来年受験予定の「奈良通1級」合格と、さらには最上級の「奈良まほろばソムリエ」合格を目指して、これからも大好きな奈良の情報発信を頑張ります。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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