大神神社で心身を清め良縁を願う【祓戸神社と夫婦岩】を参拝して(奈良県桜井市)

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生まれも育ちも奈良県で、今は橿原市に住んでいるみくるです。

国のまほろば大和盆地の東南に位置する三輪山みわやまを御神体とする大神神社おおみわじんじゃを、幼い頃より「みわさん」と呼び習わし、折に触れてお詣りして来ました。

大神神社の大鳥居と三輪山
大神神社の大鳥居と三輪山

奈良県桜井市に鎮座する大神神社は、本殿は設けず拝殿の奥にある三つ鳥居を通してお山を拝するという、原初の神祀りの様が伝えられている、わが国最古の神社です。

そんな大神神社には、多くの摂社・末社があります。

三輪山麓ご案内図

今回は、そんな大神神社を訪れた際にぜひ立ち寄ってほしい、二つのパワースポットをご紹介します。一つは参拝の前に心身を清める「祓戸神社(はらえどじんじゃ)」、もう一つは縁結びのご利益で知られる「夫婦岩(めおといわ)」です。

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大神神社 末社「祓戸神社」と夫婦岩

参拝前に心身を清める「祓戸神社」

大神神社の参道を進むと、最初に迎えてくれるのが祓戸神社(はらえどじんじゃ)です。

大神神社の二の鳥居

二の鳥居をくぐり、静かな参道を歩いてすぐの場所に鎮座するこの神社は、参拝者が心身を清めてから本社にお参りするための重要な末社です。

大神神社の参道

この神社は、その名の通り、参拝者が大神神社のご神域に入る前に、心身を清め、諸々の罪や穢れを祓い清めるための大切な場所です。まるで、これからの参拝をより清らかな気持ちで行うための準備室のような役割を担っています。

大神神社 末社「祓戸神社」
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祓戸神社の御祭神

祓戸神社には、以下の四柱の神々(祓戸の四神)が祀られています。これらを総称して「祓戸大神」と呼びます

  • 瀬織津姫神(せおりつひめのかみ):罪や穢れを川に流して清める神
  • 速秋津姫神(はやあきつひめのかみ):穢れを飲み込んで清浄にする神
  • 気吹戸主神(いぶきどぬしのかみ):穢れを風で吹き払う神
  • 速佐須良姫神(はやさすらひめのかみ):穢れを速やかに祓い去る神
大神神社 末社「祓戸神社」御由緒

これらは「大祓詞(おおはらえのことば)」にも登場する、穢れを祓い清める重要な神様たちです。毎年6月30日には例祭が行われ、参拝者の清めを祈る神事が執り行われます。

大神神社 末社「祓戸神社」

神道では、清浄な心身で神前に立つことが大切とされます。

祓戸神社は、参拝者が日常の穢れや心の重荷を落とし、清らかな状態で大神神社のご神体である三輪山に祈りを捧げるための第一歩。参拝の際は、まずここで二拝二拍手一拝の作法でお参りし、心を整えるのがおすすめです。

小さな社殿ながら、参道の入口に位置することで「これから神聖な場に進む」という心構えを与えてくれます。清々しい気持ちで参拝を始めたい方にぴったりの場所です。

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縁結びと夫婦円満の象徴「夫婦岩」

縁結びの聖地「夫婦岩」

祓戸神社で参拝を終え、さらに参道を進むと、左手に二つの岩が寄り添うように鎮座しているのが見えます。これが、縁結びや夫婦円満のご利益で知られる「夫婦岩」です。

大神神社の夫婦岩

大小の岩が仲睦まじく寄り添う姿は、まさにその名にふさわしい光景です。

大神神社の夫婦岩

夫婦岩は、古くから神様が宿り鎮まる「磐座(いわくら)」として信仰されてきました。

室町時代の絵図にも「聖天石」として描かれていたとされています。「聖天」は、夫婦和合した双身の姿で表されるインドの神様で、この岩の姿から連想され、神道と仏教が習合した結果、そう呼ばれたと考えられています。

そして、何より特筆すべきは、大神神社の主祭神である大物主大神(おおものぬしのおおかみ)と、活玉依姫(いくたまよりひめ)の恋物語「三輪山説話」を伝える古跡であるとされている点です。

大神神社の夫婦岩の御由緒

それは、活玉依姫のもとに夜な夜な通ってきた美しい男性が、実は大物主大神だったという伝説です。

この深い絆と愛情を象徴する場所として、夫婦岩は良縁、恋愛成就、夫婦和合、夫婦円満を願う人々から篤い信仰を集めています。

実際に訪れると、夫婦やカップルで手を合わせて祈願している姿をよく見かけます。これから良縁を願う方、今あるご縁をより深めたい方、夫婦関係を円満に保ちたい方は、ぜひ夫婦岩の前で手を合わせ、そのご利益にあずかってみてください。

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夫婦岩と「三輪山説話」との関連

三輪山説話とは

三輪山説話」は、奈良県桜井市にある三輪山にまつわる神聖な恋物語で、日本の神話が記された『古事記』『日本書紀』に登場します。特に大神神社のご祭神である大物主大神(おおものぬしのおおかみ)と人間の女性との間の神秘的な交流を描いた神婚説話として有名です。

基本となる物語のパターンは、「異類求婚譚(いるいきゅうこんたん)」と呼ばれる、人間ではない存在が人間と結婚する物語の一種です。

『古事記』に見る三輪山説話(活玉依姫と大物主大神)

最もよく知られているのが、『古事記』に記された、活玉依毘売(いくたまよりびめ)大物主大神の物語です。

  1. 謎の男の訪問: 活玉依毘売のもとに、夜な夜な身元の分からない美しい男が通ってくるようになります。
  2. 妊娠と両親の疑い: やがて活玉依毘売は身ごもります。両親は、夫もいないのに娘が妊娠したことを不審に思い、男の正体を知るための策を授けます。
  3. 素性を暴く策略: 両親は姫に、「次に男が来たら、寝床の前に赤土をまき、そして麻糸を巻いた糸巻(苧環/おだまき)を針に通しておいて、男の着物の裾にその針を刺しなさい」と教えます。
  4. 糸をたどって正体を知る: 活玉依毘売が言われた通りにすると、翌朝、男の着物に刺した糸は戸の鍵穴を通って外へ伸びていました。糸巻に残っていた糸は「三勾(みわ=三巻き分)」だけ。姫がその糸をたどっていくと、糸は三輪山(美和山)の社(やしろ)で終わっていました。
  5. 神の正体: これによって、夜な夜な通ってきていた男の正体が、三輪山の神である大物主大神であったことが分かったのです。

この物語は、「三勾(みわ)」という残った糸の数から「三輪」という地名が起こったという地名起源説話としても語り継がれています。また、活玉依毘売が大物主大神の子を授かったことで、その子孫が三輪氏の祖となり、三輪山の神を祀ることになったとされます。

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『日本書紀』に見る三輪山説話(倭迹迹日百襲姫命と大物主大神)

『日本書紀』では、崇神天皇の条に、倭迹迹日百襲姫命(やまとととびももそひめのみこと)と大物主大神の物語が記されています。こちらも神婚説話ですが、『古事記』とは結末が異なります。

  1. 夜訪れる男: 倭迹迹日百襲姫命のもとに、夜な夜な美しい男が通ってくる。
  2. 真の姿を願う: 姫が男に、昼間もその姿を見せてほしいと願う。
  3. 蛇体の顕現と姫の死: 男は姫の櫛箱に入っていると告げ、決して驚かないようにと忠告する。しかし、翌朝姫が櫛箱を開けると、そこには衣の紐ほどの小さな蛇が入っていた。姫は驚いて叫んでしまい、それに怒った神は空を飛んで三輪山に帰ってしまう。姫は後悔し、その場にあった箸で自分の陰部を突いて命を落としてしまう。

このことから、倭迹迹日百襲姫命の墓は「箸墓(はしはか)」と呼ばれるようになったとされています。

こちらの記事では、倭迹迹日百襲姫命の大市墓として、宮内庁で管理されている「箸墓古墳」についてご紹介しています。

箸墓古墳は、奈良県桜井市箸中にある巨大な前方後円墳です。邪馬台国の女王卑弥呼の墓という説もある、わが国において最も有名な古墳の一つです。

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三輪山説話の意義

  • 神と人間の交流: 神が人間の女性と交わるという神聖な交流を描いています。
  • 地名起源: 「三輪」という地名の由来を語る説話でもあります。
  • 古代信仰: 三輪山が古くから神が鎮座する神聖な山(神奈備/かんなび)として信仰されてきたことを示しています。
  • 大物主大神の神性: 大物主大神が、時には人間に幸福をもたらし、時には祟りをもたらすといった、畏敬の対象となる神としての側面が描かれています。

これらの説話は、三輪山と大神神社の歴史や信仰の根幹をなす物語として、今日まで語り継がれています。

大神神社に伝わる「夫婦岩」が、活玉依姫と大物主大神の恋物語の古跡とされているのは、この三輪山説話に由来するものです。

大神神社は、荘厳な雰囲気と豊かな自然に囲まれ、訪れる人々に癒しとパワーを与えてくれる場所です。今回ご紹介した祓戸神社と夫婦岩は、そんな大神神社の魅力をより深く体験できるスポット。ぜひ、心身を清め、良縁を願う旅に出かけてみてはいかがでしょうか。

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大神神社へのアクセス

奈良県桜井市三輪1422

電車をご利用の場合

大神神社への最寄り駅は、JR桜井線(万葉まほろば線)の三輪駅です。

JR・近鉄桜井駅からバス: JR桜井線・近鉄大阪線の桜井駅からもアクセスできます。桜井駅北口2番乗り場からシャトルバスが出ており、約20分で大神神社に到着します。

JR三輪駅から徒歩: 三輪駅から大神神社までは、徒歩約5分と非常に近いです。駅を出て、案内に従って進むとすぐに二の鳥居に到着します。

車をご利用の場合

大神神社には、参拝者用の無料駐車場が完備されています。

  • 無料駐車場: JRの踏切より西側に参拝者無料駐車場があります。普通車約590台分のスペースがあり、通常は無料で利用できます(正月特別期間など、一部有料となる場合があります)。
  • 所在地: 〒633-8538 奈良県桜井市三輪1422

※大神神社参道整備工事に伴い、一部期間で駐車場の利用制限や、二の鳥居付近での一時停止・乗降車ができない場合があります。最新の情報は、大神神社の公式サイトをご確認いただくか、直接お問い合わせいただくことをお勧めします。

この記事では、大神神社 摂社の狭井神社さいじんじゃをご紹介しています。

大神神社の境内に鎮座する、三輪の神様の荒魂あらみたまをお祀りする神社さまです。力強いご神威から、病気平癒の神様として篤く信仰されています。

4月18日の鎮花祭はなしずめのまつりは上古からの由緒をもち、「薬まつり」の名前でも知られます。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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