ガラスペンでなぞり書きを楽しんでいるみくるです。
紙工作ぺんさんの「大人のなぞり書き」や、『ガラスペンでなぞる文学の小道』をなぞって、昔好きだったお話を思い出しては懐かしんでいます。
同じように文学をなぞれる本を探していて、見つけたのが『大人の脳トレ名作なぞり書き』です。
本の内容はこちらの記事で詳しくご紹介しています。
今回は第3章「感情」を豊かにしようより『源氏物語』をご紹介します。
考える活動で「感情」を豊かにしよう
名作には、人生を考えさせる力があります。「考える」活動は、考える力はもちろん、ひらめる力、感情豊かな人間性を生み出します。
何かについてじっくり考えると、記憶や情報を一時的に保持して活用する「前頭前野」の活動が高まるそうです。
ガラスペンでなぞる『源氏物語』
紫式部の『源氏物語』の冒頭部分をなぞりました。
いづれの御時にか、女御、更衣あまたさぶらひ給ひける中に、いとやんごとなき際にはあらぬがすぐれて時めき給ふありけり。はじめより、我はと思ひ上がりたまへる御かたがた、めざましきものに貶しめ妬み給ふ。同じ程、それより下臈の更衣たちは、ましてやすからず。朝夕の宮仕につけても、人の心をのみうごかし、恨みを負ふ積りにやありけむ、いとあづしくなりゆき、物心細げに里がちなるを、いよいよ飽かずあはれなるものに思ほして、人の謗りをもえ憚らせ給はず、世の例にもなりぬべき御もおてなしなり。上達部、上人なども、あいなく目をそばめつつ、いとまばゆき人の御覚えなり。
先に音読するページがあり、脳活トレーニングができるようになっています。
- はじめの部分を暗唱しましょう。
- 作者になったつもりで、中宮彰子に語り聞かせるようにもう一度音読しましょう。
高校の時に暗唱したのを今でも覚えています。古文はリズムが良くて音読が心地よいです。
NHK大河ドラマ『光る君へ』が大人気で、紫式部や『源氏物語』が注目を集めています。4月14日の放送では吉高由里子さん演じるまひろ(紫式部)らが石山寺に参拝する様子が描かれていました。
石山寺は紫式部が『源氏物語』の着想を得た場所と伝わります。その石山寺の境内の様子や紫式部との関りについて、こちらの記事でご紹介しています。
源氏物語を鑑賞する
巻末に付いている「鑑賞の手引き」が、教科書のようで懐かしい気持ちになります。
源氏物語
紫式部(生没年不詳)
漢詩文に優れた中流貴族の家に生まれ、幼少期より漢文を読みこなす才女だった。藤原宣孝と結婚し一女を生む。夫の死後、一条天皇の中宮彰子の女房として出仕。源氏物語
三部構成。第一部は光源氏がさまざまな女性を関係をもちながら栄華をきわめる様を、第二部では最愛の紫の上を失った光源氏が苦悩する姿を、第三部では光源氏亡き後の子孫たちの恋と人生が語られる。宮中の恋愛模様に焦点を当てながら、貴族社会の内実と苦悩を描き出し、世界的に高い評価を受けている古典的名作。口語要約
大人の脳トレ名作なぞり書き
どの帝の御世であったか、天皇の后が大勢お仕えなさっていた中に、高貴な身分でないのに、目立って帝の寵愛を受けている方がいた。自分こそは帝の寵愛をと思っていた后たちは、その者を見下したり妬んだりなさっている。同じ身分やその方より低い身分の者たちは、もっと心穏やかではない。始終嫉妬を受けたせいか、病気がちになってしまい、心細げに里に下がっていることが多いのを、帝はますます不憫にお思いになられて、一層の扱いをした。公卿たちも見ていられないほどの御寵愛ぶりである。
やはり紫式部と言えば紫、パープルのインクでなぞりました。
紙が貴重だった時代でしたが、道長が紫式部に紙を与えて物語を書かせたそうです。『源氏物語』誕生の経緯を「光る君へ」の中でどのように描かれるか楽しみにです。
使用したなぞり書きの本
大人の脳トレ名作なぞり書き 篠原菊紀監修 青春出版社(2017/11/5)
使用したガラスペンとインク
COCOUNITYガラスペンセット
ガラスペンで愉しむなぞり書き
なぞり書きに使っている万年筆インクとなぞり書きの本のまとめページを作っています。
最後までお読み頂きありがとうございます。