2026年のNHK大河ドラマ「豊臣兄弟!」を楽しみにしているみくるです。私が住む奈良県には、豊臣秀長にゆかりのある地が数多くあります。
ゆかりの地のひとつである、高取山の山上にそびえる「高取城」は、豊臣秀長の重臣・本多利久によって築かれた山城です。
前回は、高取町の城下町から、大手道を行く王道コースでの登城の様子をご紹介しました。
今回は、壷阪寺からの登城の様子をご紹介します。壷阪寺の有料駐車場に駐車後、そこから徒歩で高取城へ約1時間の道のりです。
壷阪寺経由の方が、登坂はなだらかですが、お城へは八幡口から入城することになります。八幡口から本丸までは、徒歩で約20分です。
壷阪寺の奥の院とも称される「五百羅漢」も合わせてご紹介します。

壷阪寺の奥の院から登城する「高取城跡」
壷阪寺(南法華寺)
壷阪寺は、壺阪観音の通称で知られる真言宗豊山派の寺院です。正式には壺阪山平等王院南法華寺といいます。

西国三十三所観音霊場の第六番札所として古くから信仰を集め、本尊の十一面千手観世音菩薩は眼病に霊験あらたかです。

壷阪寺の灌頂堂には、豊臣秀長公像と本多俊正公像が祀られています。

お二人の存在無くして、今の石垣残る高取城はありませんでした。
こちらの記事では、「壷阪寺大雛曼荼羅」をご紹介しています。今年は3つの会場合わせて、過去最多となる約4500体のお雛様がお祀りされています。開催期間は、2025年4月20日までです。
壷阪寺奥の院
壷阪寺有料駐車場(第1駐車場)に車を停めて、高取城跡を目指します。

奈良県高市郡高取町壺阪3
奈良県道119号線(明日香清水谷線)を進みます。

壷阪寺境内図13番の「三重塔」などが見えます。

壷阪寺から高取城跡方面へ1kmほど車道を歩いていくと、高取山の山中、高香山に奥の院があります。堂字は残されていませんが、五百羅漢の石仏像があり幽玄な趣が漂っています。


壷阪寺奥の院 五百羅漢
壷阪寺から車道を1kmほど歩くと、3台ほど停められる駐車スペースがあり「壷阪寺奥の院 五百羅漢」という看板が立っています。
多くの交通量を捌けるような道ではなく、離合が大変な場所もあるので、ここに駐車するのはおすすめしません。
ここからは山道になります。

古くから壷阪寺の境内は広く、元々はこの奥の院も境内だったそうです。


登山口から階段を登り始めてすぐに、ずらりと並ぶ石仏が見えてきました。

地蔵菩薩と不動明王のお姿があります。

これらはそもそも、土砂崩れ防止のためもあって設置されたとのことで、物理的な意味でも山を守っていらっしゃるお地蔵さまなんですね。

しばらく進むと無数の仏さまの彫られた大きな岩が見えてきます。香高山の斜面の岩肌に刻まれた石仏群「五百羅漢」です。

五百羅漢は羅漢が釈迦の説法を聞いているところを現したものです。

香高山だけで石仏群は20群以上あり、総称して「香高山石仏」と呼ばれます。

五百羅漢の他に二十五菩薩像、五社明神像、両界曼茶羅などが点在します。室町末期から江戸初期にかけての作とされます。



八幡口から大手門跡まで
八幡口
県道119号線から山道に入る所が、通称「八幡口」です。

吉野口門跡
五百羅漢を過ぎて、さらに山道を登ると「史跡 高取城跡」の石碑がありました。

このあたりが「吉野口門跡」のようです。


岡口門跡


壺阪口門跡

大手門跡
大手門は「御城門」とも呼ばれ、城内への入口である「二の門」「壺坂口門」「吉野口門」から城内に進むと、この「大手門」の前でひとつになります。大手門が二の丸・本丸への唯一の入口です。

石垣が迫力を増してきて、本丸に近づいていく気配が漂います。

大手門の連続枡形。
往時は上の石垣をまたぎ重圧な櫓門がありました。

十三間多門跡
十三間多門櫓は、十三間に渡り多門櫓が築かれていたので、この名が付きました。

二の丸跡、本丸跡
大手門跡から先の二の丸跡、本丸跡の様子は大手道から登城した際の記事でご確認下さい。
下山して見た壷阪寺
登城時に壺坂寺の三重塔の写真を撮ったのは、13:16でした。

ゆっくり登って、本丸跡から吉野の山々を望んたのは14:42。ゆっくり登って約1時間半です。

下山して再び、壷阪寺の三重塔を見たのは15:56でした。往復で約2時間40分でした。

大観音石像(16:03)

大釈迦如来石像と三重塔など(16:07)

無事に下山できてほっと一息。穏やかな夕暮れの景色に和みました。
高取城跡へのアクセス
奈良県高市郡高取町高取
八幡口からハイキング道を登ると、城下町からくるハイキング道と大手門で合流します。ハイキング道を歩いて本丸を訪れた帰りに、道を誤って城下町方向へ降ってしまう事例が多発しているそうです。
登城時に、大手門を確認しておいてください。

帰路の際は、大手門で八幡口・壷阪寺方面へ曲がって下さい。
こちらの記事では、城下町からの登城の様子をご紹介しています。
最後までお読み頂きありがとうございます。