生まれも育ちも奈良県で、今は橿原市に住んでいるみくるです。
国のまほろば大和盆地の東南に位置する三輪山を御神体とする大神神社を、幼い頃より「みわさん」と呼び習わし、折に触れてお詣りして来ました。
大神神社は、本殿は設けず拝殿の奥にある三つ鳥居を通してお山を拝するという、原初の神祀りの様が伝えられている、わが国最古の神社です。
そんな大神神社には、多くの摂社・末社があります。
今回は、その中から大神神社摂社の活日神社をご紹介します。
崇神天皇に召され、三輪の神様にお供えする酒を造った高橋活日命をお祀りする神社です。杜氏の祖先神として酒造関係者から信仰を集めています。
大神神社摂社 活日神社
活日神社の御祭神と御由緒
大神神社摂社の活日神社は、大神神社の拝殿から山の辺の道を北に少し行った所に鎮座します。
年末年始や、季節の祭典で混雑する日でも、こちらはひっそりとしていて、緑豊かな杜を心静かに歩けます。
右手の石段を登り鳥居を潜ります。
瑞垣に囲まれた中に妻入一間の小祠(春日造、板葺)が西向きで建っています。
このほど、本殿の屋根の傷みがひどくなってきたので桧皮屋根葺替えが行われ、合わせて神門・玉垣の改修等の境内整備が行われたので、真新しくなっていました。
御祭神は、杜氏の祖神さまの高橋活日命です。
御由緒書きは、石段の下に建っています。
大神神社摂社 活日神社
(御由緒)
ご祭神の高橋活日命は崇神天皇に命じられ大物主大神に供える神酒を醸した掌酒で杜氏の祖神として醸造関係者から高く信仰されています。一夜にして美味しい酒を造ったことから古くは「一夜酒社」とも呼ばれました。酒まつり等で舞われる神楽「うま酒みわの舞」は活日命が詠んだ歌で作曲作舞されたものです。
大神神社摂社 活日神社 御由緒書き
毎年11月に、大神神社の拝殿で斎行される「醸造安全祈願祭(酒まつり)」で奉納れる神楽舞「うま酒みわの舞」は、活日命が詠んだ歌で作曲作舞されたものなんですね。
杜氏の祖神・高橋活日命
第10代崇神天皇の時代、国中で疫病が大流行し天皇もその対応に苦慮されている時、夢の中で大物主大神から「天皇の子孫である大田田根子を祭主にし、酒を奉納しなさい」というお告げがありました。
そこで、杜氏の高橋活日命を呼び、一夜で酒造りを行い神酒を奉納すると疫病は去り、国が栄えました。
その時に高橋活日命が「此の神酒は 我が神酒ならず 倭なす 大物主の 醸みし神酒 幾久幾久」と詠んだと伝えられています。
高橋活日命が詠んだ歌碑が、大神神社の境内に建っています。
この歌は『日本書紀』巻5・崇神天皇の条にある歌です。こちらの記事で詳しくご紹介しています。
『日本書紀』には、大物主神のご神助により、会心の美酒を造ることが出来たことが記されています。このことからご大神神社の祭神が酒造りの神として敬われることとなりました(大神神社のご祭神は大物主大神です)。
崇神天皇に召され、三輪の神様にお供えする酒を造った高橋活日命は、杜氏の神様としてこの活日神社に祀られ、酒造関係者から信仰を集めています。
神酒完醸奉告祭
酒造り発祥の地「三輪」に現存する唯一の酒蔵である「今西酒造」さんが、11月22日に斎行された「神酒完醸奉告祭」当時の様子をインスタに投稿されていました。
今西酒造さんは、三輪山が古来より「三諸山」と呼ばれている事、 また、三輪山は「杉」に神様が宿るとされている事から360有余年「三諸杉」という銘柄で酒造りをされています。
参道にも店舗がありますので、参拝の帰りにぜひお立ち寄り下さい。
大神神社摂社 活日神社へのアクセス
奈良県桜井市三輪
大神神社の手水舎の横に御由緒書と案内図が設置されていました。
活日神社は14番です。
大神神社の駐車場(無料)がご利用できます。
大神神社へのアクセスと駐車場については、こちらの記事をご参照ください。高橋活日命の歌碑などが建つ歌碑ひろばについてもご紹介しています。
最後までお読み頂きありがとうございます。