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【飛鳥の謎の石造物vol.5】善と悪、二つの顔を持つ「二面石」――橘寺に隠された斉明天皇の野望?

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生まれも育ちも奈良県で、明日香が大好きなみくるです。

飛鳥の謎を巡る「謎の石造物シリーズ。 「亀石(かめいし)」、「猿石(さるいし)」、「マラ石(まらいし)」、「石舞台古墳(いしぶたいこふん)」とユニークな姿の石をご紹介してきましたが、第5弾の今回は聖徳太子誕生の地として知られる「橘寺(たちばなでら)」を訪ねます。

この由緒あるお寺の境内に、ひっそりと、でも圧倒的な存在感を放つ石があるのをご存知ですか?その名も「二面石(にめんせき)」。

橘寺の紹介記事でも少し触れましたが、今回はこの石が持つ「本当の役割」について、飛鳥資料館での発見や斉明天皇の伝説を交えながら、さらに深く掘り下げてみたいと思います!

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聖徳太子ゆかりの寺に眠る不思議な石「二面石」

善と悪が背中合わせ?「二面石」の正体

二面石(にめんせき)」は、橘寺の本堂(太子堂)の左横にある、高さ約1メートルほどの飛鳥時代の石造物です。

一つの石の左右に「善」と「悪」、二つの表情が彫られていると言われていますが、実際に見ると「どっちがどっちかな?」と迷ってしまうかもしれません。

橘寺の社伝では、「北面(右)が善、南面(左)が悪」を表すとされています。

私も初めて見たときは見分けがつきませんでした。でも、お寺という場所にあるからこそ、「我々の心の持ち方を現したもの」という教えとして、この名前で呼ばれるようになったのかもしれませんね。

人間は誰しも、清らかな心と醜い心、その両方を持って生きている――。この石は、訪れる人にそんな自省を促しているようにも感じられます。

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飛鳥資料館で判明した「パズルのピース」説

この二面石の「レプリカ(復元品)」が、飛鳥資料館の庭園に展示されています。

そこの解説板には、驚くべきヒントが書かれていました。

「背面は平らで何らかと組み合わせていた可能性がある」

さらに、同じ庭園には「人頭石(じんとうせき)」(実物は高取町・光永寺)のレプリカもあり、こちらも同様に背面が平らな特徴を持っています。

人頭石は目鼻立ちがはっきりしていて、ペルシア人の顔を模したのではないかと言われています。

これらは単体で置かれていたのではなく、もともとは「何かの大きな構造物の一部」だった可能性が非常に高いのです。では、その「構造物」とは一体何だったのでしょうか?

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考察:斉明天皇による「水のエンターテインメント」

ここで繋がってくるのが、石造物マニア(?)にはお馴染みの斉明天皇です。

私は、これらの石造物たちは斉明天皇が造り上げた豪華な庭園、「飛鳥京跡苑池(あすかきょうあとえんち)」の一部だったのではないかと考えています。

  • 権威を示すためのおもてなし:斉明天皇は、石を積み上げ、水を引く大規模な工事を次々と行いました。
  • 賓客への演出:外国からの使者や貴人を招き、見たこともない噴水や、この二面石のようなユニークな彫刻を見せることで、「日本にはこれほどの技術と権力があるのだ」と圧倒したのではないでしょうか。

今は橘寺に静かに置かれている二面石も、かつては豪華な庭園の中で、水を吹き出したり壁を飾ったりして、人々を驚かせていた「現役の装飾」だったのかもしれません。

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猿石との「兄弟」のような関係

第2回でご紹介した「猿石(さるいし)」。実は二面石や人頭石は、この猿石と同じ職人グループ、あるいは同じ目的で作られた「兄弟」のような存在だと言われています。

吉備姫王墓にある猿石の中にも、背中合わせに二つの顔を持つものがありますよね。 バラバラの場所に散らばってしまった彼らですが、そのルーツを辿ると、斉明天皇が夢見た「石の都」という一つの壮大な物語に辿り着くのです。

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まとめ:時代を超えて役割を変える石たち

かつては天皇の権威を示す「おもてなしの装飾」として。 そして今は、お寺を訪れる人々に「心の在り方」を説く「善悪の象徴」として。

時代によって役割を変えながらも、ずっと同じ場所で私たちを見つめてきた二面石。橘寺を訪れた際は、ぜひその二つの表情の前に立って、1400年前の華やかな庭園の姿を想像してみてくださいね。

飛鳥の謎を巡る!「謎の石造物シリーズ」

明日香村に点在する、不思議な石造物たち。 一つひとつに、古代人の祈りや驚きの伝説が隠されています。 みくると一緒に、飛鳥のミステリーをコンプリートしてみませんか?

  • 第1回:亀石(かめいし)
    • 飛鳥を代表する人気者!その背後に隠された「斉明天皇」の影とは?
  • 第2回:猿石(さるいし)
    • 吉備姫王墓に佇む4体の異形。飛鳥資料館の「裏の顔」も必見!
  • 第3回:「マラ石(まらいし)
    • 祝戸の里に鎮座する、生命力と結界の象徴。
  • 第4回:「石舞台古墳(いしぶたいこふん)
    • 教科書でおなじみの巨石。でも、なぜ「舞台」と呼ばれているの?
  • 第5回:「二面石(にめんせき)(今ここ!)
    • 橘寺の境内に佇む「善」と「悪」。その表情は、斉明天皇が描いた「水の都」の残像か?
  • 第6回:[鬼の雪隠・俎板](次回の記事)
    • 坂道に突如現れる巨大な石。旅人を食べた「鬼」の伝説と、驚きの正体に迫る!

橘寺へのアクセス

奈良県高市郡明日香村橘532

近鉄 橿原神宮前駅又は飛鳥駅より
明日香周遊バス 川原または岡橋本下車 徒歩5分

駐車場や拝観時間等は、こちらの記事でご紹介しています。

最後までお読み頂きありがとうございます。

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