生まれも育ちも奈良県で、神社仏閣巡りが好きなみくるです。
「日本最古の神社のひとつ」とされる奈良県天理市に鎮座する石上神宮(いそのかみじんぐう)。境内を自由に歩き回るニワトリたちを見たことがありますか?

この記事では、検索でよく出てくる7つの疑問にお答えしながら、石上神宮が持つ唯一無二の魅力と深い歴史を徹底的に解説します。
石上神宮をもっと深く知る!よくある疑問Q&A
石上神宮の何がすごいのですか?
石上神宮の「すごい」点は、主にその「古さ」と「信仰の特殊性」にあります。
- 日本最古の神社のひとつ
伊勢神宮と並んで、古代の歴史書『日本書紀』にたびたび登場する、極めて古い歴史を持つ社です。 - 古神道の信仰形態
かつては、建物の奥に本殿を持たず、背後の神域(禁足地)に埋められた霊剣や神宝を御神体として祀るという、原始的な信仰の形を伝えていました。 - 国宝の拝殿
国宝に指定されている拝殿は、鎌倉時代初期の建築で、かつては天皇の住居の一部だったものが移築されたという説もあり、高い建築的価値を誇ります。 - 大和政権の武器庫としての役割
石上神宮は、古代の大豪族である物部氏(もののべし)の総氏神であり、大和政権の「神宝・武器庫」として非常に重要な役割を果たしました。国宝の七支刀(しちしとう)など、貴重な品々が伝わっています。

石上神宮で特に有名なご利益は何ですか?(起死回生?)
石上神宮の主祭神が「剣」に宿る神霊であることから、厄除け・勝負運のご利益で知られますが、特に有名でユニークなのは「起死回生(きしかいせい)」です。
- 【起死回生】:主祭神の布都御魂大神が宿る霊剣は、神武天皇が仮死状態になった際に、その霊力によって蘇生させ、危機を救ったという神話に由来します。
「絶体絶命のピンチから状況を盛り返す」ご利益として、受験生、経営者、スポーツ選手など、勝負事を控える人々に人気があります。 - 【健康長寿・病気平癒】:配神である布留御魂大神が司る「十種の神宝」には、死者をも蘇らせる霊力があるとされるため、健康長寿や病気平癒の信仰も篤く集めています。
この「起死回生」のご利益は、七支刀が描かれた「御神剣守」というお守りが特に有名です。

石上神宮はなぜ「神宮」と呼ばれるのですか?
明治時代以降、「神宮」の称号は天皇や皇室にゆかりの深い神社に贈られるのが一般的になりましたが、石上神宮はそれ以前から「神宮」を称していました。
- 古代からの尊称:神宮とは、本来、霊力を帯びた神宝(剣、鏡、玉など)を納めていた「御屋(みや)」を指す言葉だったとされます。
- 伊勢神宮と並ぶ格式:奈良時代には、伊勢神宮と石上神宮のわずか2社のみが「神宮」の尊称を認められていたという説があり、古代からの極めて高い格式を示しています。

石上は何の神様を祀っていますか?
主に布都御魂大神(ふつのみたまのおおかみ)など、「剣(つるぎ)」に宿る神霊を祀っています。
- 布都御魂大神(ふつのみたまのおおかみ)
御神体の霊剣に宿る神。困難を断ち切り、国家平定の力を授ける。 - 布留御魂大神(ふるのみたまのおおかみ)
十種の神宝に宿る神。健康長寿、病気平癒、起死回生の霊威。 - 布都斯魂大神(ふつしみたまのおおかみ)
八岐大蛇を退治した剣に宿る神。災厄を祓い、悪を断ち切る。
これらの神様から、石上神宮は「健康長寿」「除災招福」「百事成就」にご利益があるとされています。

石上神宮は日本三大神宮の一つですか?
石上神宮が「日本三大神宮」の一つとされることがありますが、定説はありません。
「三大神宮」の候補にはいくつかの説があり、石上神宮は主に以下の説で挙げられます。
| 説 | 構成される神宮 | 根 拠 |
| 【古事記・日本書紀説】 | 伊勢神宮、石上神宮、出雲大社(大神宮) | 古代の歴史書に記された重要性。 |
| 【延喜式神名帳説】 | 伊勢神宮、鹿島神宮、香取神宮 | 律令制時代の格式(延喜式)に基づく。 |
石上神宮は、古代史の重要性から「三大神宮の候補」とされることが多い、格式の高い神社であることは間違いありません。

石上神宮ではなぜニワトリを飼っているのですか?
石上神宮のシンボルともなっている「御神鶏(ごしんけい)」は、約30羽が境内に放し飼いにされています。

- 神様のお使い:ニワトリは、神話において天照大神が天岩戸(あまのいわと)からお出ましになる際、「常世の長鳴鳥(とこよのながなきどり)」として時を告げた鳥であり、神様のお使いとされています。
- 時を告げる鳥:夜明けを告げ、魔を払い、清浄な空気をもたらす存在として神聖視されています。
- 縁起担ぎ:参拝者への親しみを込めて、「災いをトリ除き、幸福をトリ込む」という語呂合わせの縁起も担いでいます。

境内には、天然記念物の東天紅(とうてんこう)や烏骨鶏(うこっけい)など、様々な種類の鶏が暮らしており、静かな神域に賑わいを与えています。
石上神宮へのアクセスや駐車場、混雑状況を教えてください。
所在地
奈良県天理市布留町384
石上神宮は、奈良の観光スポット「山の辺の道」沿いに位置しており、アクセス方法は主に以下の通りです。
車でのアクセス・駐車場
- 駐車場:無料駐車場(第1・第2・第3・第4駐車場)が用意されています。
- 混雑状況:正月三が日や例祭(10月15日)など、特定の日は大変混雑します。特に正月三が日の昼前後(お昼前~午後3時頃)は混雑が激しいため、混雑を避けたい場合は早朝や夕方の参拝がおすすめです。
公共交通機関でのアクセス
- 近鉄天理線、JR桜井線「天理駅」より徒歩30分(「山の辺の道」のハイキングルートの一部にもなっています)。
- 天理駅より 天理市コミュニティバス「いちょう号」(東部線)下山田系統
「石上神宮前」バス停下車、徒歩10分
まとめ:絶体絶命のピンチを越えたいあなたへ!
石上神宮は、古代の霊剣を御神体とし、日本の歴史と信仰の原点に触れられる特別な場所です。特に「起死回生」の強いご利益と、境内を自由に歩く「御神鶏」が、この古社の歴史と神聖さを象徴しています。
絶体絶命のピンチから運気を盛り返したい方は、ぜひ石上神宮を訪れ、その神秘的なパワーとニワトリたちに癒されてみませんか?
参拝ルートを詳しく知るならこちらも!
日本最古級の歴史を誇る奈良県の石上神宮は、古代の霊剣を御神体とする、武力と鎮魂のパワースポットです。
この古社は、歴史の道「山の辺の道」の途上に位置しており、常緑樹に包まれた境内は、一年を通して変わらない神さびた静謐な空間が広がっています。
山の辺の道を歩いた道のりや、境内の詳しい様子、アクセス方法を知りたい方は、こちらの記事もぜひご覧ください。
最後までお読み頂きありがとうございます。

